ルーンクエスト(RQG)では武器を用いた戦闘ルールが取り扱われています。
ブロードソード、バトルアックス、シールド、パイク、様々な武具が選択肢となりますが、どんな組み合わせが良いのかルール面で考察してみましょう。
武器の組み合わせの基本パターンは?
人間キャラクターを対象として考察するので、三本腕の沼ゴブリンやグロタロンは無視して、二本腕の場合は左右の腕をどう使うか、となると…
片手武器と盾:利き腕で武器を振るって攻撃し、他方の腕で盾を構えて防御する、攻守のバランスが取れた戦い方です。最大のメリットは「盾を用いることによる生存率の向上」でしょう。
片手武器の二刀流:盾の代わりに武器を追加で構えることで、追加攻撃を試みる攻撃寄りの戦い方です。手数を増やすことで、相手の受け流しや回避にペナルティを課すことが目的となります。
両手用武器:大型武器を両手で扱うことで、遠い間合いから攻撃するリーチと、一撃の破壊力を高める戦い方です。片手を負傷すると劣勢になったときの危険度が高い、というリスクもあります。
パイクと盾:イェルマリオのカルトでは、パイクと盾を組み合わせて戦う方法を教えています。パイクの圧倒的なリーチと、盾による防御力の向上を狙っています。
ルーンクエスト(RQG)での戦闘スタイル
— カシワのクマ (@Wiz_Tonokuma) 2023年6月2日
・片手武器と盾
・片手武器の二刀流
・両手用武器
・パイクと盾(イェルマリオン限定)
だいたいこの4パターンになる。
それぞれ長所と短所があり、絶対にコレが有利!とならないのが面白いところ。
あなたの好みは?
ちなみに、人気なのは「片手武器と盾」と「片手武器の二刀流」のようです。
盾のメリット・デメリット
盾を使うことのメリットはいくつかあります。
いざとなれば盾も武器になる:ルーンクエスト3版とは異なり、「攻撃」と「受け」の判定を同じ技能で行うことが出来ます。盾は攻撃に用いると防御には用いることができない、というデメリットはありますが、いざとなれば武器としても使えることは覚えておきましょう。故意に相手をノックバック(強制後退)させる際に、盾のぶちかましは有効だったりします。
貫通武器を受け止める:槍や剣など刺突武器はスペシャル成功時に「貫通効果/Impale」が発生します。この特殊ダメージを身体に受けると、身体に刺突武器が突き刺さったままとなり、行動に支障が生じます(刺さった武器を抜くまで治療できないとか)。盾で受けることで、身体ではなく盾に突き刺さったことになります。
射出武器への対策:弓などの射出武器は、受け流すことができません。基本は外れることを祈る、弾道を予測して〈回避〉を試みる、という頼りない対策が一般的。盾であっても受けながすことはできませんが、盾のサイズに応じて身体部位を守ることは可能。一発気絶を避けるため、盾で頭部をガードしたりするわけです。
特殊ルーン魔法《大地の盾》の活用:オーランスやバービスター・ゴアなど一部のカルトでは盾専用の強化魔法《大地の盾/Earth Shield》を提供しています。アーナールダやストームブルなど関連カルトから入手可能なカルトを含めると、意外と多くのキャラクターがアクセス可能です。持続時間中は盾のHPが無限大となる効果で、極論100ダメージだろうが1000ダメージだろうが、受け止めればチャラとなるチート魔法。
重量制限への影響:特に大型盾に該当するデメリットとなりますが、それなりに重量が嵩みます。特に重装備で防具を選択すると、エンカンブランスのリミットは気になる問題。これについては別途考察する予定。
二刀流のメリット・デメリット?
どんな武器で二刀流を行うかにもよりますが、一般論として特徴は以下の通りです。
追加の攻撃が可能:右手と左手、それぞれの攻撃を行うことが出来ます。複数の敵を同時に倒せる機会を得たり、同一の対象に集中させることで防御判定へのペナルティ(2回目以降の-20%累積)を課す、という効果が期待できます。ただし、2回分のストライクランクの合計が12以内に収める必要があるため、ブロードソードでの二刀流を行うためにはDEX13+またはSIZ15+の能力値が求められます。
武器強化の魔法リソースが余分に必要:地味に大変なのは武器へのバフも2個分必要となること。《鋭刃》や《神剣》などの威力強化の魔法を用いない片手武器は、大型盾などで受け止められると無効化されることがあります。
利き手以外での武器使用は大変:1つは武器使用条件となっているDEXが1.5倍と高くなることですが、レイピアやコピシュ以外は意識しなくても満たせるでしょう。2つ目は利き手と非利き手の武器技能は別々のものとして成長させる必要があること。左右両方を同じくらい高い水準にするのは苦労しそうです。
なお、同じ武器カテゴリーであれば代替技能判定として1/2の技能値を用いることは可能です。〈右手のブロードソード〉の半分として〈左手のブロードソード〉を使うイメージです。操作技能分野修正を適用する前の技能値を1/2とする裁定と、適用後に1/2とする裁定、どちらになるかはゲームマスターへご確認ください(ちなみに私は適用する前に1/2とする派です)。
※盾は二刀流のルールの対象外となるため、剣と盾で同時に攻撃、はできないのであしからず。
両手用武器のメリット・デメリット?
どんな両手用武器を使うかにもよりますが、一般論として特徴は以下の通りです。
武器ダメージは大きい:グレートソードならば2D8、グレートアックスならば2D6+2、パイクであれば2D6+1、いずれも片手用武器よりも大きなダメージを設定されています。高レベルな戦士同士の戦いとなると、攻撃を受け流して無効化する膠着状態に陥りがちですが、受け流しに用いた武器ごと相手を叩き斬る、という強引な破壊力は評価すべきです。
受け流しながら武器破壊:武器ダメージが大きいことの派生メリットとなりますが、失敗した攻撃に対する受け流しが成功すると、相手の武器にダメージを与えることがあります。そのような場面では武器HPを上回る大ダメージを出しやすい両手用武器は有利にはたらきます。
武器のリーチで先手を取る:大きな両手用武器は間合いが広く、たいていは武器のストライクランク修正が優れています。近接戦ではストライクランクで優れた側から攻撃処理を行うため、大威力な攻撃を先手で取って一方的に攻め伏せる、ということも起こり得ます。
片手が使えなくなると劣勢:右手と左手の両方が使えてこその両手用武器、いずれかの腕が負傷などで使えなくなると劣勢に立たされることになります。特に武器による受け流しが出来なくなるため、〈回避〉技能の修得を合わせて行うことが推奨される戦闘スタイルです。
パイクと盾のメリット・デメリット?
イェルマリオのカルトで、入信者以上に「パイクと盾」を組み合わせて使用する方法を教えているので、イレギュラーではありますが特徴を整理しましょう。
イェルマリオのカルト限定:そもそもが両手用武器と盾は本来は併用できませんが、イェルマリオのカルトではルール例外となる使い方を教えています。
盾のメリットを受けられる:各種の盾のメリットを受けられます。
両手武器のメリットを受けられる:パイクの武器ダメージは2D6+1と、両手武器としては少し弱めです。その代わりにストライクランクへの修正が最高水準であり、基本的には先手を打つことができるなど、両手用武器のメリットを受けられます。
重い!!:パイクだけで3ENC、大型盾も3ENC、合わせると6ENCと非常に嵩張ります。予備の武器などを考慮すると、防具を重装化するためには優秀なフィジカルが求められます。
※ネタの補足※
グロタロン/Grotaron:一般には「メイドストーンの射手」と呼ばれ、フロネラ北部の山脈に生息。頭部の代わりに中央腕が生えた3メートル程の大型種族。それぞれの腕の手の甲に眼を、胸の上部に大きな口を持つ。普段は大型のグレートボウ1張を両脇の二本の腕で水平に構えて、中央腕で矢をつがえて狙い放つ。近接戦闘を強いられた場合、中央腕で大型盾、左右の腕に各1本の破壊鎚を構えて戦う。剣歯山マンモスを狩って暮らすが、人間種族から武器を買うために傭兵として雇われることもある。
沼ゴブリン/Hornilian Swamp Goblin:パマールテラ大陸に生息するゴブリンの一種、種族的にはレッド・エルフ。ねじ曲がって短いが力強い2本の脚と、長くて平べったい3本の腕を持つ。頭部は小さく無毛で、顔は平らで皺だらけ、人間の目には醜いものと映る。