家畜の略奪:牛泥棒とも呼ばれる行為。財産獲得を目的としたオーランス人の慣習行為。本来は暴力を避けて成し遂げることが望ましい。不運な失敗はしばしば暴力沙汰に発展し、しばしば報復に繋がる。
通常は発起人が氏族の長に許可を得て行う行為。
族長の判断により、友好的な氏族、手を出したらヤバイ氏族への牛泥棒は認められず却下されることもある。
その場合、発起人は遠方の従兄弟に会いにいったり、市場へ買い物に出かけて、家畜を土産に持ち帰ることがある。
言い出しっぺの発起人は、氏族の中で協力者を集める。
氏族の長が許可しなかった場合、協力者を集めるのは難しくなる。
オーランス神に供物を捧げ、成功を祈願してから、家畜の略奪に赴く。
重要な家畜である牛は、氏族集落の中心地付近で放牧されるため、略奪の難易度は高くなる。
大抵は海の季後半から火の季節、農閑期に家畜の略奪が試みられる。
当然、他氏族の略奪を警戒してパトロールも行われるので発見される可能性がある。
発見された場合、警報の角笛が鳴り響く。この時点で断念して撤退することも多い。
略奪ができたなら、すみやかに撤退するが、家畜を連れて逃げ切るためには、家畜を上手に扱う技術も必要となる。
そもそも、家畜を連れて通れる道筋は限られているため、発覚が遅れたあとの追撃で追い付かれる可能性もある。
逃走中に追い付かれると、暴力沙汰になることも多い。
遠くの氏族を狙っていた場合、奪った家畜を連れて、他の氏族のテリトリーを通り抜けることが必要になる場合もある。
この場合、通行料として家畜の分け前が要求されることもある。
首尾よく家畜を連れて氏族に帰還できたならば、略奪の成功をオーランス神に報告する儀式が行われる。
発起人は略奪に加わった支援者たちに家畜を分け与える。
氏族の長にも分け前が求められるが、これは家畜の略奪をきっかけに暴力沙汰になった際の贖罪金や身代金の備えでもある。
十分な家畜が略奪できないと、分け前が得られない支援者が出ることがある。
十分な分け前をもたらすことができたならば、発起人の名声は高まる。