※TRPG背景世界グローランサにおける「啓発」と「悟り」に関する忘備録メモ。ゲームとして遊ぶ際の設定やガジェットなので、あまり真剣に考察しすぎることなきように
グローランサにおける悟り
グローランサ世界においても「真理に達して一切合切の悩みや迷いを振り落とした状態」、すなわち悟りに至る者たちがいます
・普通の人々の「硬直的で固定観念に縛られた世界観」だけでなく、「世界は多様な視点で見ることができる」ことを悟る
・「一は全であり、全は一である」こと、「万物はすべからく価値があり、同じくすべからず無価値である」ことを悟る
・そして「己を律するのは己の意志のみである」ことを悟る
・これはオーランス人にとって常識である「混沌は悪」ということにすら束縛されなくなることも意味する
・また、「殺人は罪深い行為」とか「他人を助ける慈愛に満ちた行為」も世界にとっては無意味であり、本質的に同等に無価値であることも悟る
特に重要なのは「己を律するのは己の意志のみ」という点。
グローランサの人々は良くも悪くも、多神を崇拝することで倫理観を共有している
その共通の倫理観を無視して、自身の意志が原動力となることは危険な状況となる
結果として悟りに至ったものは
・世界と一体となり、個としての意味を成さなくなる(ゲーム世界からのリタイア)
・自我と世界のバランスを取り、あるがままに自由に生き、あるがままに天寿を全うする(プレイヤーが上手にコントロールして遊べてる状態)
・自我の肥大によって暗黒面に陥り、自他共に破滅へと向かう(NPC化してグローランサ世界で暴走している状態)
といったことになる
ドラゴンパス地方を含む多くの地域では、アーカットとグバージの物語が語り継がれ、「ナイサロールの啓発(悟り)」は一般的に忌み嫌われている
ペローリア地方では、赤の女神のカルトがナイサロールの啓発メソッドの後継者となっている
クラロレラなどの東方では、肉体・精神・魂の研鑽によって悟りに至ることを目指す悟法の流派がいくつも存在している。哲学を学び、自我と世界のバランスを取るメソッドも伝わっている
ナイサロールの啓発
・ナイサロールの徒は“謎かけ”と呼ばれる問答を通じて、生徒を精神的な解放へと導くことができる
・かつてナイサロールの崇拝者たちは啓発の暗黒面に陥ったことで、自身の絶対の正義に従って人々を真理に導くため、多くの者を欺き、病を広めるなどの悪行を成したため、ペローリア地方以外では忌み嫌われる存在となっている
・ルナー帝国において「ナイサロールの啓発」のメソッドは赤の女神のカルトによって管理・実践されており、赤の女神のカルトに加わるための条件になっている
・ナイサロールの啓発は「道なき悟り」として暗黒面に陥る宿命にあったが、現在は「ルナーの道(ルナー哲学)」を組み込まれ、暗黒面に陥らぬよう注意深く実践されている(ルナー帝国広報情報)
・ユールマルの奇妙な謎かけも、同様の効果があるという噂もある。実はユールマリたちは啓発されているのんもしれない
啓発者が得る能力例
なお、ナイサロールの啓発に至ったものは、以下のような能力を得ます
・己が内包するルーンやパッションの矛盾を克服する
・他の啓発者(悟者)を感知する
・混沌感知の効果への耐性
・カルトの制約を無視する力
メカニズムとしての啓発
・グローランサ世界を語る際にネタとされることが多い「啓発」だが、機能面やメカニズムとしての重要性はあまりない
・ナイサロール教団は既に滅びており、「啓発」というメソッドを用いることで「カルトの従来の価値観や制限を無視」することをロールプレイするためのギミックである
・特に「ヒーロークエスト」を行う際、単純な神話の再演を行うという選択肢以外に、新たな選択肢を生み出すことも可能にする示唆となっている
アーカット教団の啓発者
・暗黒アーカット教団の者たちは、ナイサロールの反暗黒面の縮図と自認しており、暗黒面に陥った者たちに対抗する活動を行っている
・本質的にはナイサロールの啓発とアーカット教団の啓発は同じもの
・混沌は悪ではないことを悟った上て、アーカットのように混沌を破壊することを使命として受け入れている
・おそらくは啓発の暗黒面に陥らぬための哲学(アーカットの教えを哲学まで昇華した?)を持っているか、暗黒面に陥った身内は速やかに始末しているのか…
東方的な悟法
注記:「悟法」はグローランサを背景世界としたTRPGタイトル「ヒーローウォーズ」で提示された魔法体系のひとつ。TRPGタイトルとしては版権的にもクローズした過去コンテンツであり、現在のルーンクエスト(RQG)においては非公式となる
・正当派の悟法は静的な思索の教えであり、世界との関わりを断ち、世界と一体となり解脱することを目指している
・実践派の悟法は動的な経験主義であり、内なる平穏と力を研鑽し、それ外に向けることで世界の方を変容させることを目指す
・いずれの場合でも、悟りに至る際に肉体・精神・魂には強い衝撃を受けるとされ、それらを損なわぬための準備を積み重ねることが大事とされる
・各流派は「哲学」を学び、自身を律する精神と魂の研鑽に努める
・東方的な悟法の視点からすれば、「ナイサロールの啓発」は「研鑽して道を歩む準備することなく、いきなり悟りという結果だけに至った事故状態」のようなものらしい
悟法によって得る力
・世界を無視して自らを世界から隔絶する。流派によって様々だが、正統派では魔術的あるいは物理的な攻撃に対する防御能力として発現することが多い。実践派の流儀では、攻撃を逸らしたり、相手に返したり、攻撃を自身が吸収して自身の法力を高めるなど
・物質界を無視する。究極的には飲むこと、食べること、眠ること、在ることすら無視することに至る
竜的自我の目覚め
東方的悟法の源流と思われるドラゴニュートの道
ある意味でグローランサ最古の哲学であり、人間ならぬドラゴニュートたちの哲学と悟法なので、理解することは難しい
・世界は竜の見る夢であり、その竜もまた夢の産物である
・現世との関わりを断つことで、その者は現世から解放され、階層的に上位世界の存在として目覚めることができる
・ドラゴニュートは解脱することで真竜となり、真竜は解脱することでさらなる上位階層へと旅立つ
・現世は夢の産物なので、意志によって変容させることもできる