ルーンクエストにおけるカルトとは
冒険の舞台となるドラゴンパスでは、様々な神々が信仰されています。人々は、多数の神を認めています。寺院を中心に特定の神格を信仰する宗教的な共同体を「カルト」と呼びます。グローランサのカルトは、犯罪行為をするような反社会的な集団を指すものではありません。
冒険者は、生まれ、社会的地位、職業によって所属するカルトを選択します。カルトは生活に密着したものであり、様々な恩恵を入信したものにもたらします。もっとも一般的なのは、ルーン魔法の修得です。
ルーンクエストでは、全ての人々が何らかの魔法を使うことができ、その源がカルトなのです。
▼嵐神オーランス
オーランスは、神々の王、嵐の司、死を帯びる者、そして光もたらす者である。 彼は7人のライトブリンガーの1人であり、また、それらの神々の長である。
彼の崇拝はグローランサの多くの地域で広く普及している。 彼の行為の権利によって、オーランスは宇宙の大衆主義を主張する。 彼は戦士の神、農民の神、支配者の神であり、三つすべての神である。
冒険者オーランス、雷鳴轟くオーランス、女戦士ヴィンガ、王者オーランス、オーランスのカルトに加わる者はどのサブカルトに所属するか選択する。
冒険者オーランス:主に戦士や血気に満ちた若い農夫が信仰。空を飛んだり、跳ねたり、稲妻を放ったり、戦闘や冒険で役立つルーン魔法を教わる事ができる。
雷鳴轟くオーランス:主に農夫や祭司が信仰。雲を呼び集めたり、風を操ったり、落雷を起こしたり、天候や風に関わるルーン魔法を教わる事ができる。
女戦士ヴィンガ:ヴィンガは戦女神である。普通なら男がやるような暴力的で命がけの仕事に身を投じた女性たちがこの女神を信仰する。女性がオーランスのカルトに加わる場合、このサブカルトに加わることが必要となる。ゲームデータとしては冒険者オーランスのサブカルトと同等。
王者オーランス:部族の王族が主に信仰。王族に仕える上級家臣(セイン)も、一時的に加わることごできる。王族でなければこのサブカルトに恒久的に加わることができない(逆説だが、このサブカルトの恒久メンバーとして加われれば王族として認められる)。
サブカルトの選択によって、戦士的な役割を得意とするもの、魔術師的な役割を得意とするものに分かれるが、全てのサブカルトに通じることでオーランス神により深く携わるものもいる。
サーター王国の多くの部族や氏族の大多数の男たちはオーランスのカルトに加わっており、オーランス人の社会基盤となっている。
オーランスのカルトの最大の特徴は、関連カルトが非常に多いことがあげられる。これにより、他のカルトの何倍もの多様性が与えられている。
▼大地母神アーナールダ
アーナールダは豊かな生命の母であり、すべての恵みの源です。 植物と動物、野生動物と家畜の両方とも、彼女の子供です。
彼女は恵み多く寛大です。 彼女は、女性、性、共同体、そして大地や大地の上に住むすべてのものの女神です。
非常に多様な側面を持つ女神だが、ゲームシステム的にはサブカルトは無く、全て同じひとつのカルトとして扱われる。
大地を操る魔女として、大地の精霊を呼び出し、使役し、退散させるルーン魔法を教わる事ができる。
農夫の妻や母として、収穫が増えるよう農地や家畜を祝福したり、家庭を守る精霊を呼び出す、家庭向けのルーン魔法を教わる事ができる。
生命のもたらし手として、普通ならば死に至る重傷を即座に癒したり、切断された四肢を再生するなど、癒しののルーン魔法を教わる事ができる。
それ以外にも、他人の情熱を煽ったり、敵の放つ魔法を吸収したり、様々なルーン魔法に通じている。
オーランスのカルトと同様に、あるいはそれ以上にアーナールダのカルトはオーランス人社会の社会基盤となっている(男性がカルトに加わることも多い)。
オーランスのカルトが比較的暴力的な解決方法を得意とする一方で、アーナールダのカルトはそれ以外の解決方法を探るときに役立つ。
アーナールダのカルトも、オーランスのカルト同様に関連カルトが非常に多いことが特徴にあげられる。同様に多様性が高い。
▼熊神オデイラ
オデイラは 偉大な“天空の熊”を狩る者として知られています。またある者は、オデイラ自身が“天空の熊”であるとも言われます。
彼の信徒はもちろん、真実を知っています:狩る者と狩られる者は常に1つの存在の一部であるということ。
狩猟の神としてオデイラは知られており、オーランス神の息子の一人として、しばしばオーランスのサブカルトのように崇拝される。独立したカルトとして崇拝される場合、狩猟神としての一面よりも、熊神としての一面が強くなる。
熊神の使徒として、恐ろしい怪力を発揮したり、熊のような巨躯と分厚い毛皮を生やしたり、熊そのものに変身するルーン魔法を教わる事ができる。
人里を離れて野山で泊まり込んで狩猟を行う狩人に信仰されることが多く、狩った獲物をさばく屠殺の技や、残された足跡を追って追跡する技をカルトから教わることができる。
オーランスのカルトとは関連が強いが、他には祖霊崇拝のダーカ・ファール、狩猟の友として猫神インキン等と繋がりを持つ。
▼死神フマクト
フマクトは死と戦争を司る神である。 “死”はすべての生きる者の避けがたき運命である。“死”は全ての生きる者にとって無慈悲な運命だが、 彼の信者にとっては世界を破守るために必要な力である。
オーランス人の一部の専業戦士や兵士がこの神を信仰する。戦争を司る神でもあるため、フマクト神の寺院は往々にして傭兵斡旋所としても機能している。
剣神の使徒として、剣の威力を単純に倍増させたり、剣と同調することで剣を操る技量を著しく引き上げる、剣を使った戦いで役立つルーン魔法を教わる事ができる。
死神の使徒として、相手の霊魂を肉体から断ち切ることで即死させたり、アンデッドを追い払ったり破壊するなど、死に関するルーン魔法を教わる事ができる。
誓約を守る者として、相手がついている嘘を見破ったり、誓約を破れば死ぬ呪いをかけたり、真実に関するルーン魔法を教わる事ができる。
これらの強力なルーン魔法に加えて、「加護と制約」と呼ばれる魔法的な能力がフマクト信徒たちを恐ろしい戦士にしている。フマクト信徒らしからぬ行いをしないという制約を受けることで、よりフマクトらしい強い力を得ることができる。多くは戦闘に役立つ能力が強化されるが、アーマーを抜けたダメージが2倍になる加護などはその最たるもの。
ただし、「死亡しても蘇生させることができない」という厳しい制限がフマクト信徒には課せられる。死を司る神故に、蘇生の魔法を拒絶しているという。
▼光神イェルマリオ
イェルマリオは、太陽もなく、夜もないときに空に輝く光、「陽の天蓋」の神である。イェルマリオはドラゴンパスで崇拝される天空の神々であり、エルフにもよく知られている。このカルトは有名な「陽の天蓋聖堂戦士団」の傭兵によって支えられている。
このカルトは2つの信仰のされ方をしている。一つはオーランス神と戦い敗れた光神イェルマリオとして、もう一つはオーランス神の忠実な友たる太陽神エルマルとして。ゲームデータとしては前者として記載されており、「陽の天蓋寺院」と呼ばれる異国風の寺院を中心に活動する傭兵カルトとなる。
傭兵カルトでありながら、直接的に戦闘力が向上するルーン魔法は皆無という変わり種。どちらかというと集団戦闘で強みを発揮する。
第一に、カルトの特殊な戦闘訓練により、本来両手で用いる大型槍パイクを大型盾と併用することが可能になる。単純に攻撃力と防御力が両方引きあげられるので強い。
第二に、夜戦でも視界が悪化しなくなるルーン魔法を教わる事ができる。通常のルーン魔法は持続時間が基本15分だが、12時間持続というところが地味に強い。
第三に、「加護と制約」が得られること。出身職業が農夫だろうが職人だろうが、イェルマリオの加護によって、いきなり達人並みの槍や弓使いとなる可能性がある。これは戦闘カルトは戦闘以外で役に立たないという常識を覆します。
神話時代にイェルマリオ神は戦いに敗れ、炎の力を失い、熱なき光の神になったという設定があり、信徒たちは炎に関する魔法の修得が禁じられる、というちょっとした制限もあります。