【01】山賊狩りを命じられ
・ジョンスタウン街道や王の街道でキャラバンを襲撃する山賊の類
・山賊の出自は、スターブロウの反乱で氏族や部族を追放されたもの、契約を打ち切られた傭兵たち、近隣のプラックスやグレイズランドから一攫千金を目論んだ若者たち、様々である
・カリルに忠誠を誓った反乱軍がゲリラ活動として、ルナー帝国のキャラバンを襲っている、という話も聞きます。
ゴーディウス・シルヴェルス: 属領地軍参謀、ターシュの小都市の出身だが、諸部族との交渉を一手に引き受ける。「ファザールの取り外し可能な右腕」と呼ばれる。
ファザール総督の代理人として、諸部族との交渉。流暢にヒョルト語を話し、ヒョルトの民の慣習や法にも通じている。
・ゴーディウスは「星の火の屋根」に逃げ込んだ山賊たちの退治をコリマー部族に命じる。
・建前としては「星の火の屋根はコリマー部族の自治領故にコリマー部族に任せる」であり、それができぬならば「自治領の管理ができず街道をゆくキャラバンに被害が出続けるならば、相応のペナルティ」を課すというもの。
・コリマー部族が自ら無法者を捕らえて差し出すならば、それはそれでよし。命令に従わぬならば、人足(労役奴隷)と賠償金(経済的負担)を課すことで反乱する力を削ぐ、というどちらに転んでもファザール総督はよい。
・一方カングハール王はファザール総督から経済的支援を絶たれぬように、この命令は必ずやり遂げる必要がある。
・しかし、冬の山狩りは危険なのは周知の事実、その地形を熟知したオールマース氏族以外が踏み入っても無駄足に終わる可能性が高い。
・そこでカングハール王はオールマース氏族が星の火の屋根の領有を示すためにも、この件を成し遂げるよう命じる。
【02】冬の山丘へ
山賊たちを捕らえるため、氏族から民兵が招集され、冒険者たちが率いることに。
10名の自由農夫や牧夫からなる民兵の運命は、冒険者の〈合戦〉技能に委ねられる。
GM:では今回のシナリオ用にMAP渡すので、地道に山狩りよろしくです
狩人ダシリカ:うちの村の側に「捨灰場」とか神話的由来のある場所あったのね
戦士ケンストレル:街道をゆくキャラバンを襲ってる連中なら、「うさぎ森」とかに潜んでるのか?
哲学者エルマランティ:さすがにそこはバレバレだから無いでしょう。冬の寒さをやり過ごそうとしているなら、「高き星の火の屋根」の崖地の洞窟群のあたりかな?
一行は枯川を道代わりに捨灰場まで向かい、そこから地道に1ヘクスずつ調査を行います。
実際には達人級の〈追跡〉技能を修得している狩人ダシリカが、次々と痕跡を発見し、少なくとも3つの集団が存在する可能性が浮かび上がります
狩人ダシリカ:うさぎ森の方から来た30名ぐらいの集団の足跡は、この場所で仲間割れしたようだな。広き星の火の屋根に向かった集団と、崖に沿って森に向かってる集団に分かれている。まったく違う痕跡も近くで見つけたが、短き星の火の屋根に向かった足跡も発見したけど、巧妙に足跡は隠されていたよ
戦士ケンストレル:まずは人数が多い集団から追うとするか
狩人ダシリカ:それは広き星の火の屋根に向かった集団だな
哲学者エルマランティ:ではケンストレルの鉄製グレートソードに《Boon of Kargan Tor/闘争神の武具》を1季持続で掛けておくよ、ダメージに+1D6効果だから忘れないでね
戦士ケンストレル:平常時で「武器2D8+魔法1D6+ダメージボーナス1D6」だから期待値16ダメージか。中型盾程度なら受けられてもダメージ与えられるかな。
狩人ダシリカ:《筋力》や《熊の力》とかバフ足せば確実でしょ
【03】貴重な証言者
1へクス移動するごとにランダムな遭遇表
GM:というわけで50メートル先から推定SIZ25の大型四足生物の移動する足音が聞こえます
戦士ケンストレル:ん、冬山だとクマか?
狩人ダシリカ:GMの楽しそうな笑顔から察するに、きっとヒグマだよ
哲学者エルマランティ:個体名称レッドヘルムとかネームドのヒグマはいやだな
GM:概ね合ってるよ、冬ごもりに失敗した飢えたグリズリーくんです
あっさりケンストレルの一太刀で絶命、狩人ダシリカの〈穏やかな死〉技能で可食部の肉採り、毛皮も回収
そんなランダム遭遇をくりかえしながら捜索は薦められます。
そんなイベントのひとつとして、「おびえる山師」と遭遇。
オールマースの領有する山に密かに入り、魔漿石を採掘(盗掘)しようとした山師。
採掘場を見つけたものの、山賊に見つかり逃げてきたという。
狩人ダシリカ:証言に合うのは短き星の火の屋根に向かった足跡、の方だね
戦士ケンストレル:まずはそこから確認するとしますか
GM:魔漿石が欲しい、というのが表情に出ているな…
山師の証言によればその山賊たちは二十人ほどの傭兵崩れとの事。
冒険者たちが率いている民兵たちよりも数が多いため、不意打ちなど人数差を覆す要素が無いと危険は高そうだが、まずは直接見て判断しよう、という事になる。
移動中に再びランダムな遭遇表を振ることになり…
哲学者エルマランティ:コロコロッ、出目はコレだけど何と遭遇したのかな?
GM:〈視力〉技能判定に成功したら、大空を飛ぶ「風の子」を目撃できるよん。背中に鳥のような羽根を生やした人型種族だね~
戦士ケンストレル:嵐の神々の眷属だっけか?〈嵐語会話〉でコミュニケーション取れるかい?
哲学者エルマランティ:敵意が無いことを〈魅了〉技能でアピールしたいです~
ランダム遭遇表には載っているが、シナリオには無い偶然の遭遇w
冒険者たちの交渉技能判定の結果、友好的な風の子ということになった
上空からいろいろ見ているだろう、ということで適当に知覚技能をロール、どうやら目当ての山賊たちを上空から目撃していた、という設定が生える。
アガー人の山賊たちの半数がスリングを得物とする遊撃兵、残りもほとんどが軽装な兵卒、など武装について情報を事前に得る。
狩人ダシリカ:薄手の革服や、煮固めた革鎧程度なら弓矢は通じそうだな。《火の矢》無しでも有効打になるのは楽だわ
哲学者エルマランティ:でも、敵からスリング撃たれるのは嫌だなぁ。風の子さん、何か良い方法無いかね? 〈魅了〉判定が決定的成功だったから、助けてよ~w
GM:風の子自身は戦闘には参加しないが、シルフを呼び出して弾避けにするくらいの助力はしてあげよう
【04】天翔ける強襲者
山賊たちの位置を特定できたので、一行は襲撃方法を考えます
・ケンストレルが《風歩き/Windwalking》をかけた乗騎で頭目へ単騎突撃
・エルマランティが接近戦要員を率いて兵卒たちを足止め
・ダシリカと射撃要因はシルフを弾避けにしつつ、射撃で敵の投石兵から仕留めていく
というシンプルな力押しを選択
いざ奇襲が実行となりますが…
・ダシリカの弓矢が着実に敵を射て、1ラウンドに2名ずつ四肢を使用不能に射貫く
・エルマランティは〈合戦〉技能を成功させ、被害を最小限に抑えて敵兵卒たちを足止め
・一気に空中を駆け抜けたケンストレル、ランスチャージは不発だったものの、下馬してからグレートソードを振るって敵頭目を一撃で撃破
…はい、あっさりと勝利です
ルナー帝国と契約を切られた傭兵団:アガー出身の獣神信奉者。山の採掘場からマジッククリスタルを掘り出したため、欲を掻いて残ることにした。
総勢20名、しかし士気は低い。
頭目グレンダー:無秩序90、獣90、死60、愛情(宝石)60、戦士60、知名度20
※採掘場から魔漿石を3つ掘り出している。いずれも死んだマジッククリスタルであり、POWは1D6点の小さなもの。マジックポイントの蓄積より、精霊の呪縛に適している。
※士気と練度が低いため、一般兵はキッカケがあれば簡単に逃走する 〈威嚇〉にも弱い
魔漿石が発掘できる場所に陣取った山賊たちだった、という設定。
戦利品として「1D6点のPOW蓄積型」の魔漿石を3個入手。
【05】虎に噛まれて…
奇跡的に「死者」を出すことなく山賊20名を捕らえた冒険者たち。
氏族のワイターに一方的にメッセージを送れる呪物を用いて状況報告を行い、「捨灰場」付近で捕らえた山賊たちを氏族の別動隊へ引き渡し、山狩りの捜索を再開。
狩人ダシリカ:うさぎ森の方から来た30名ぐらいの集団、仲間割れで戦ったようだね。8名ほどの死者が出た後、15名の足跡が「広き星の火の屋根」に向かった集団、7名の足跡が、崖に沿って森に向かってる集団のようだ
戦士ケンストレル:先に15名の足跡を追跡しよう。
再び未調査ヘクスに侵入するごとにランダムな遭遇表を振ります
狩人ダシリカ:コロコロッ、ん?この出目はさっきヒグマと遭遇したときと同じじゃん。またグリズリーか?
GM:ははは、実はその出目は正確には「肉食の大型獣」なんだよ。
立木の樹上に潜む剣歯虎との遭遇、ということにしましたが…
GM:えーと、〈隠れ身〉と〈忍び歩き〉が…コロコロッ
戦士ケンストレル:ふざけるな!その出目はどうみても効果的成功の出目じゃないか!
哲学者エルマランティ:はぁ、オープンダイスだとこういうときは絶望感が…
GM:はははっ、キニスルナヨ。警戒して山道を歩いているんだろ、〈視力〉と〈聞き耳〉の技能判定をよろしく~
一同:うひー、失敗と通常成功だけだわ
GM:そうか、ダメか。ではPOWの3倍ロールをみんな振ってちょ。失敗した奴が不運な犠牲者候補ね。冒険者全員が成功したら、同行している氏族の民兵の誰かが犠牲者候補だよ。
戦士ケンストレル:やべ、俺だけ失敗か…
隠れていた剣歯虎(SIZ26)が不意打ちに成功。
咄嗟の出来事ですが、ケンストレルは受け流しを試みます。
しかし、わずか出目が1足りず失敗で…
GM:ははは、では5D6ダメージ・・・24点をもろ喰らいしてくれ
戦士ケンストレル:ギャー!正中線だけは勘弁してくれ、死ねるダメージ量だよ
GM:コロコロッ、よかったね、右腕だよ。アーマー超過分で…うむ、噛み千切られたな。ショック状態で気絶してくれや
哲学者エルマランティ:やばいじゃん、うちの頼りになる盾役がいないと崩壊しないか?
狩人ダシリカ:《耐傷/Ward Against Weapons》&プレート鎧を着てるエルマランティが足止めしてよ、弓矢で俺が攻撃するから
哲学者エルマランティ:強度8だと気休めにしかならんて…
戦士ケンストレル:しゅ、出血ダメージがヤバ…
ゲームマスターのオープンダイス主義がたまにこんな事故を引き起こします。
結果的にはエルマランティが剣歯虎を足止めし、ダシリカと同行している民兵たちのスリングと弓矢の集中砲火で退治することに成功。
エルマランティが《傷の治癒》を使って切断された右腕を接合。
死者を出さずに済んだようです。
【06】山賊の潜む洞窟
様々なトラブルはあったものの、「広き星の火の屋根」と呼ばれる場所までたどり着きます。
大小いくつもの洞窟が点在し、その全てをしらみつぶしに調べることは現実的ではありませんが…
狩人ダシリカ:足跡が途絶えたな。と、いうか隠されたか?
GM:そうだね、相手も〈追跡〉技能を用いて痕跡を消す努力はしたようだね。
狩人ダシリカ:無問題、通常成功で隠されたのなら、効果的成功で出し抜けばいいはず。
GM:では、根気強く探しておくれ。失敗するたび、ランダムな遭遇表を振ってもらうけどね、ケケケ
そんな前振りしましたが、あっさり3回目の判定で効果的成功。
ランダム遭遇表も大したものではなく、記憶にも残らぬ程度。
足跡を消した、という痕跡を探し出し、ひとつの洞窟が怪しいとあたりを付けます。
ひと一人が通れる程度の細い洞窟、ダシリカが《静寂》の精霊魔法で足音を消して偵察したところ、奥は広く広がっているが、途中に見張りが一人立っている様子。
気づかれぬように戻り、今後の作戦を練る会議モード。
戦士ケンストレル:うーむ、見張りの人数が少ないなら《闇歩き》で俺が奇襲で無力化させられるのでは?
哲学者エルマランティ:ルーンポイントに余裕あるかい? 《延長1》と組み合わせれば1時間持続するから、見張りだけでなく奥の連中も無効化できるのでは?
狩人ダシリカ:単騎で特攻するつもりなら、ケンさんに《熊の力》を同じく《延長1》で掛けておくよ
戦士ケンストレル:攻撃直前に呪縛してる精霊に《筋力》使ってもらうつもりだけど、【筋力/STR】はどう計算になるの?
GM:まず《熊の力》で元値を2倍にして、それに+8点だね。
戦士ケンストレル:(18×2)+8=44か、我ながら化け物じみた筋力だな。追加ダメージボーナスが+3D6に到達だな。
GM:操作技能へのボーナスが+30%されるのも忘れないでね、グレートソード技能が100%超えるよ
ルーン魔法の《闇歩き》で洞窟の暗闇に姿と足音を完全に隠し、見張りにやすやすと接近するケンストレル。
GM:完全な不意打ちが出来るけど、一撃で殺す無慈悲な攻撃と、相手の頭部を狙って気絶させる慈悲ある攻撃、どっちにする?
戦士ケンストレル:あれ、殺しちゃダメなんだっけ?
GM:相手が武器を持っていて戦える状態で殺す分には、オーランス人の〈名誉〉には何ら問題はないよ。ただ、この状況では相手は武器すら抜いていない状態で、虫けらのように殺すなら、〈名誉〉のパッション的には・・・
戦士ケンストレル:そっか、〈名誉〉のパッションは…コロコロッ…うむ、慈悲をかけろと心が命じているw
ここからは戦士ケンストレルが鬼神のような大暴れ
・見張り役を一撃で気絶させ、洞窟の奥へ
・焚火を囲む山賊たちを発見し、頭目と思われる男を同様に一撃で気絶させて無効化
・侵入者に気が付いた山賊のひとりが《魔力消散》で《闇歩き》を剥ぐ
・ケンストレルは降伏勧告をしながら、グレートソードと蹴りで次々と下っ端を…
戦士ケンストレル:えーと、ストライクランク2でグレートソードで攻撃して、さらに蹴りをするのはいつのタイミングになるの?
GM:本卓では二刀流と同じルールとして処理します。単純にキック攻撃のストライクランクを足してください。
戦士ケンストレル:ではストランクランク2でグレートソード、ストライクランク8で蹴り、になるのか
哲学者エルマランティ:いまならグレートソード技能が100%を越えてるから、2回の攻撃に分割できたはずだよ。
GM:その場合はストライクランク2と4でグレートソードソード、ストライクランク10でキック攻撃、計3回の攻撃が可能だよ
戦士ケンストレル:これだけ攻撃して、グレートソードでの受け流しにペナルティ無いの?
GM:うむ、3版と違ってRQGではないよw
哲学者エルマランティ:むしろ、グレートソード技能が100%を越えてる状態だから、敵の攻撃の方にペナルティが発生してる状況だよ
エルマランティの魔道呪文のバフを含めるとグレートソードは2D8+1D6+3D6、キック攻撃は1D6+3D6、それぞれ化け物じみた破壊力
戦士ケンストレル:あっ、蹴りが効果的成功してるわ。武器ダメージが2倍だっけ?
GM:げふっ、マジか。蹴りはクラッシュ属性だから粉砕効果、STRとSIZから算出した追加ダメージボーナスを1回分最大値で加算になるよ。つまり、1D6+3D6+18だ。
戦士ケンストレル:それって、グレートソードの効果的成功よりもダメージ量デカくなるんじゃないの?
奇跡的にケンストレルの攻撃は全て正中線をそれて四肢へ命中、次々と戦闘不能にしていきます。
エルマランティは洞窟の通路に陣取り山賊たちの逃走を防ぎ、ダシリカの弓矢も乱戦に撃ち込まれ、山賊たちを次々と戦闘不能へ
冒険者たちとしては降伏勧告を行うのですが…
戦士ケンストレル:コロコロッ、またダメだ~、〈威嚇〉技能の判定が成功しないよ~(涙)
GM:そうか、では「次の頭目になるのはオレ様だ!」「いや、オレだ!」とヤル気のある下っ端が挑んできますよw
戦士ケンストレル:戦闘技能は初期値高く割り振ったけど、交渉技能の〈威嚇〉は殆ど割り振ってないからなぁ
結局、大多数の山賊を武力で叩きのめして捕らえる、という羽目に。
反乱軍から離脱した無法者:広き星の火の屋根の崖沿いの洞窟のひとつに、無法者たちが冬ごもりをしようとしている。
多くがマラニ部族出身者、総勢15名。
リスメルダーやコリマー部族から略奪を行っている。
頭目グリブトン:死80、無秩序80、風60、移動60、憎悪(権威)70、憎悪(ルナー)60、戦士75
※洞窟は守るのに適している(防御側2名、攻め手1名の狭所の曲がり)が、逆に攻め手1名が二人を相手にすることを苦にしない精鋭ならば、各個撃破することができる
※部下が戦意を喪失した場合、頭目グリブトンは一騎打ちを挑んでくる(名誉を重視しているわけではなく、手勢の損耗を防ぐため)
はははっ、頭目グリブトンは全くいいとこ無しでしたよ
捕らえた山賊たちは多くがマラニ部族の出身者であることが判明。
ルナー帝国に対してゲリラ活動を行う反乱軍の戦闘部隊のひとつだったが、人徳者のリーダーを失い、今後の身の振り方で意見対立、仲間割れとなったことが捕虜に対する詰問で明らかになります。
狩人ダシリカ:うーむ、消去法で「崖に沿って森に向かった集団」が意見対立した相手なんだろうな
哲学者エルマランティ:エルマランティ個人は〈忠誠/サーター王国〉のパッションを持ってるから、サーター王国復興のため活動しているゲリラは見逃してやりたいなぁ
戦士ケンストレル:かと言って、足跡見つけたのに見なかったことにするのも問題だろ。俺たちが見逃したとして、他の奴が見つけたら…
【07】義賊か、山賊か…
冒険者たちは〈忠誠〉や〈憎悪〉などのパッションを抱えているため、様々な葛藤が生まれます。
相談の結果、とにかく残りの足跡も追跡し、話し合いが出来る相手か、会ってから考えよう、ということになります
再び氏族のワイターに一方的にメッセージを送れる呪物を用いて状況報告を行い、「捨灰場」付近で捕らえた山賊たちを氏族の別動隊へ引き渡し、山狩りの捜索を再開。
狩人ダシリカの〈追跡〉技能は達人級なので、着実に足跡を追跡します
狩人ダシリカ:技能だけで追跡がうまくいくと、《臭い判じ》とか魔法で追跡しなくていいのはリソース節約になっていいわ
再び足跡を消した、という痕跡を探し出し、ひとつの洞窟が怪しいとあたりを付けます。
擬装された洞窟の入口を前に、再び偵察をどうするかと作戦タイムが始まりますが、用意しておいた三つ目の山賊団との邂逅となります。
手勢を失った反乱軍:コリマーの野沿いの星の火の屋根の崖にある洞窟のひとつに避難している。
中心はグレイドッグ氏族を含むリスメルダー部族出身者、仲間割れで手勢を失った。総勢7名の少人数。
冬ごもりの物資は仲間割れの結果失ったため、街道を警備するルナーパトロールに見つかるリスクを冒しても、カリル・スターブロウの元に帰還しようとしている。
戦士頭ジョナサン:名誉80、移動80、風80、忠誠(サーター)70、忠誠(グレイドック)60、憎悪(オールマース)60、戦士80、交渉人60、演技40
※ジョナサンは「部下たちを逃す」ことを目的として、出来るだけ交渉を行い、戦闘は避けようとする。
GM:洞窟の中から数人の人間が観念たのか姿を現します。「私はジョナサン、“二本剣”のジョナサンだ」と名乗りを上げます。知名度25%なので、知ってるか判定どうぞ。〈地域知識/サーター〉でも情報知ってても良いよん。
狩人ダシリカ:知名度ではわからなかったけど、〈地域知識/サーター〉は成功していたよ
GM:ではジョナサンの名前は聞いたことはないです。ただ、彼の手足に描かれたトライバル・タトゥーが、彼の出身部族がリスメルダー部族のグレイドック氏族だと示しています。君たちに付き従う10名のオールマース氏族の者たちから「ちっ、グレイドッグの犬野郎か」という声が聞こえます
哲学者エルマランティ:うちの氏族はグレイドック氏族と200年ぐらい続く確執があるんだよね?
GM:Yes、仲が悪いです。そうそう、コロコロッ…ジョナサンは〈憎悪/オールマース氏族〉の感情を〈演技〉技能で隠すことに成功しています。〈洞察/人間〉または〈演技〉で効果的成功以上出せたら、それを見破れますよw
一同:経験チェックのため振るわwコロコロッ…誰も見破れませんでしたw
狩人ダシリカ:そうかー、ダシリカ個人はグレイドックへの憎悪は無いけど、氏族のものたちにとっては心象悪いのか…
GM:ジョナサンは言葉を続けますね、「ここがコリマー部族のテリトリーということは承知しているが、冬を過ごすことを許して欲しい。あなたたちに迷惑はかけないし、雪解けの頃には立ち去ると約束する」
その発言に対して氏族の者たちからは「グレイドッグの奴らは隙を見せれば何をするかわからねぇ、山賊の仲間なんだから捕らえてつき出せばいい!」と反発する声があがり、それに賛同するものも少なからずいます。
・ジョナサンと仲間たち:休息するため見逃して欲しい
・オールマース氏族の者たち:グレイドック氏族の連中に利することは許したくない
という思惑の対立をどうするか、プレイヤーの相談タイムとなります。
身内であるオールマース氏族の者たちの手前、「山賊ではないが氏族の領内に不法侵入した余所者」として見逃すが「氏族領地からの速やかな退去」は妥協しない、という落としどころに立ち尽きます
狩人ダシリカ:ちゃんと退去したか見届ける、ということで少しの距離だけジョナサンたちについていきますね。
GM:ダシリカはできるだけ彼らの力になりたいという、というスタンスは変えないんだね?
狩人ダシリカ:たぶん〈忠誠/サーター〉を秘めた者同士、ということでそうするのが自然かなと。
GM:(少し関連情報を思い出して)それなら、コリマーの野の外れに、「アズボーンのステッド」と呼ばれる場所があることをダシリカは思い出して良いですよ。
アズボーンの農園(Asborn’s Stead)
この要塞化された非常に防御性の高い砦は、今でもレイカ女王に忠誠を誓うオーランスの有名な嵐の声、“三度生まれし”アスボーンの農園です。アスボーンはコリマーの荒野を通るいくつかの道を知っており、ベストルフィン酋長の古くからの同盟者である。ステッドはアスボーンの友人や同盟者によってよく守られています
狩人ダシリカ:1617年時点のアズボーンはどんな状態なんだっけ?
GM:コリマー王カングハールに対して公然と逆らってます。それに対してカングハール王は手を出し控えているようです。アズボーンならば、ジョナサンたちを匿ってくれるかもしれませんね。
狩人ダシリカ:そうか、それならジョナサンに対して、アズボーンのステッドに迷わず行けるように、この先目印になるものを教えてから分かれます。
GM:OK、ジョナサンはダシリカに感謝し、立ち去ります
【08】山狩りの結末
ルナー属領地参謀ゴーディウス・シルヴェルスは、捕らえられた山賊たちを見て満足そうにしている。コリマー部族の勢力を削ぐということは出来なかったが、街道の治安を荒す者たちを自分の手駒を使うことなく捕らえられたのだから。
アズボーンのステッドで冬越しをしたものが数人増えたようだ。“二本剣”のジョナサンの〈憎悪/オールマース氏族〉という感情には変わりは無かったが、ダシリカへの恩義を忘れることも無いだろう