00. 登場人物紹介
オールマース氏族のPC冒険者たち
重装騎兵ケンストレル:鋼鉄製グレートソードを振るう冒険者オーランスの入信者。スターブロウの反乱の折に父母と共に追放され、ポルジョニ族の元で戦士として成長した若者。恐竜殺し、人狼殺し、などの二つ名で評判を上げつつある。アーナルスルヴァへの求婚クエストに挑戦中。
哲学者エルマランティ:ふしぎな魔法を色々つかう聖イサリーズの入信者。哲学者(魔道魔術実践者)の家系の出、魔道呪文を修得しており、祖父ニーチェの指導のよって「哲学的悟り(啓発)」に至った不思議な人。
狩人ダシリカ:熊神オデイルの入信者、氏族でも筆頭となる追跡術の達人。
より詳細なデータはこちら→1618年開始時点の冒険者たち
キャンペーンに関係するNPCたち
アーナルスルヴァ:大英雄ホフスタリングと大地寺院の女王エンタリオスの間に生まれた巫女。女神アーナールダを神降しし、ケンストレルと「オーランスの求婚クエスト」を行うことになったヒロイン。
“殺人を犯し者”ブランダン・ホディーソン:グレイドック氏族の若き英雄。アーナルスルヴァを巡ってケンストレルと対立するライバル。
01. 地道な調査活動?
GM:では、アーナルスルヴァのために、「ホフスタリングの両手」を探し出し、持ち帰ってくれたまえ
ケンストレル:どこにあるのか、それがわからーん(笑)
ダシリカ:プレイヤーには優しく情報プリーズ(笑)
GM:そうだな、キャラクターたちにとっては5年前の「スターブロウの反乱」は記憶にあるだろうし、氏族の年配者にも聞いたりすれば、いろいろ情報集まるだろう。
キャラクターたちが知っていることはこの説明資料を読んでおくれ
スターブロウの反乱
(1613年)5年前、コリマー部族は“岩砕きの”カライ、クルブレア部族の“木々を跳びこす者”ホフスタリング、ケルドン部族のカリル・スターブロウ、そして“大兜の”トナラング率いるウロックス教団、彼らを中心にルナー帝国への反乱が行われた。
ドラゴン・パスのルナー総督ユーグリプタス将軍に対する武力反乱であった。コリマーのカライ王は裕福で強大な王であり、不本意ながら反乱に加わった。はじめは武力蜂起に消極的だったが、最終的にはルナーが「勝利者オーランスの丘」を冒涜することを許さず、戦うことに同意した。
ケンストレルン:俺もこの反乱に父母と一緒に反乱に参加してたわ。
ダシリカ:俺も父親と一緒に参加している。
エルマランティ:私は参加せずに別の事していたと思う。
ホフスタリングの洪水の戦い
海の季節の雨の日、カライ王はコリマー軍をグリーンハフト村近くのクルブレアの土地に進軍させた。コリマー軍は待ち伏せし、英雄たちは、ルナー軍が1マイル以上の長さの隊列で、雨で増水したローシング川を渡り始めるのを見守る。ダラ・ハッパの重装歩兵ベリルファランクス、ターシュ人の傭兵、ペント人の騎兵、ルナーの巫女が隊列に加わっていた。
雨は豪雨となり、稲妻がルナー軍の兵士と馬を恐怖に陥れる。
川を渡ろうとする隊列にホフスタリングが呼び出した大波が押し寄せた。角笛が鳴り響き、カライ王とその近衛カグラドスの息子カングハールがコリマー軍を率いて、混乱したルナー兵に立ち向かう。
対岸では、クルブレア族が川を渡ることができたルナー軍を迎え討つ。
これは戦いではなく、虐殺であった。ルナー人にとってこの戦いは大失敗であり、サーターにおけるルナー軍の中核は修復不可能なほど粉々に砕け散った。
敗走するルナー軍から馬、食料、物資、装備、銀を略奪した後、サーター最高評議会軍はボールドホームに進軍し、都市ボールドホームを奪還する。サーターの自由を宣言し、カリル・スターブロウ女王はサーター王家の後継者であることを証明する血統を明かす。サーターは再び自由の身となる!、そんな期待が皆の士気を高めた。
やがてコリマーの戦士たちは一族に戻り、王と司祭たちはカリル女王がいつサーターの炎を再び灯すかについて議論することになる。
ラーンステイの卓
しかし、スターブロウの反乱に対するルナー帝国の報復は迅速かつ恐ろしいものだった。
火の季節に、ターシュの“博識”ファザールが新たな将軍に任じられると、ルナー軍を率いてアルダ・チュールに到着し、指揮を取った。
彼が最初に発表した指令は、反乱の処理を誤ったユーグリプタス将軍の処刑命令だった(後にウナギの砂糖漬けの食べ過ぎで死んだ、と記録は改ざんされた)。
サーター最高評議会は再び部族に使者を派遣する。カライ王は再び、戦争のためにコリマー部族をしぶしぶ招集する。
サーターの軍勢は、オーランスと "移動"の力に神聖な石卓、「ラーンステイの卓」に集結するが、到着した兵は予想より少なかった。さらに悪いことに、サーター軍は移動の神の支援を受けているにもかかわらず、“博識”ファザールとルナー軍の方が速い!ルナー州軍は敵もなくデンジャーフォードを渡り、サーター軍が完全に集結する前にジョンスタウン付近に集結。ファザール軍は瞬く間にサーター軍を圧倒し、ジョンスタウンを包囲下に置く。
毎日、ルナー人は隊列を組み、ラーンステイの卓でサーター軍に戦いを挑む。
サーターの王たちは毎日議論し、石の台地から降りることを拒否する。ルナー軍は周回線(ラーンステイの卓を囲む要塞)を築き始め、サーター人の軍の離脱を防ぐ。さらに多くのルナー兵が到着し、あらゆる退路を塞いだため、サーター人は絶望的な状況に陥った。
ホフスタリング王とウロックス崇拝の狂戦士たちは、ルナー軍に猛攻撃を仕掛けることを提唱した!カリル・スターブロウ女王はそのような栄光ある自殺を拒否するが、それ以上の計画はない。サーターの軍隊は戦場で死ぬか、帝国の奴隷として鎖につながれて終わることになると悟り、士気は沈む。
そしてついに幻影の週の火の日、ファザール将軍から使者がやってきた。その使者は、サーター王家のもう一人の後継者、司書テマーティンがボールドホームに到着したという知らせを持ってきた。ファザール将軍はサーター王家を中立の地に呼び寄せる。ファザールはそこで、テマーティンの顧問レッドバードが提案した条約に合意したこと、条約を受け入れるサーター人を恩赦することを明らかにする。
ホフスタリング王はこれを拒否して逃げようとしたが、ファザールの放ったルナーの悪魔に捕らえられ、ルナーの地獄で永遠に苦しむよう宣告される。他のサーターの王たち、カライ王とカリル女王は追放に同意する。
ラーンステイの卓で反乱に加わった英雄たちは、ルナーの和平条件に誓わなければならない。サーター軍は解散し、農場や牧場に戻る。反乱は失敗した・・・
ケンストレルン:俺も父母と共に追放されて、ポル・ジョニ族に匿われることになったんだな。
ダシリカ:俺も同様に追放されて、グレイズランドあたりで傭兵みたいなことやってた。
月の平和
1613年に調印されたルナー帝国とサーターの和平条約。
GM:“博識”ファザールが、「ホフスタリングの両手」を戦勝トロフィとして持ち帰った、と口にする氏族の年配者が多いね。
エルマランティ:うーむ、それが本当ならボールドホームにある、ということか。《地図占い》で場所特定できるのかな?
GM:やってみる価値はあると思うよ。(必要な魔道呪文の距離強度を計算し)さすがにオールドマン村からでは無理だね、せめてジョンスタウンまで移動しないとダメっぽい。
ケンストレル:それなら、ジョンスタウンに移動するか。
エルマランティ:ジョンスタウンには有名な図書館もあるので、まずはそこまで行くか。資料を調査することで判明することもあるかもしれないしね。
02. ジョンスタウンでの調査
オールマース氏族の冒険者たちが拠点としているオールドマン村からジョンスタウンに移動する場合、二つのルート選択が可能。
クワックフォード→ウィルムズカーク→ボールドホーム→ジョンスタウン、と王の街道を使用する大回りルート(4日間)
安全に移動することができるが、途中幾つも都市を通過するため費用は高め。
ブラックスピア村→アップルレーン→レッドバード村→ジョンスタウン、と地域街道を使うショートカット(3日間)
日数は少ないし入都税も不要だが、危険な森や山賊の待ち伏せが頻発するビルンの狭谷など安全面では難がある。
もちろん、ランダム遭遇上等と地域街道を使う一行。
ワイワイ言いながら遭遇表を片手にサイコロ振って一喜一憂するのも楽しいものである。
今回は特に大きな問題は発生することなく、ジョンスタウンへ到着。
エルマランティ:ランカー・マイ寺院は「真実のルーン」に関係がある場所だよね?図書館での調査とは別に、魔法儀式の場所を借りることは可能かな?少しでも《地図占い》の発動率にボーナスを得たいんだ。
GM:有償だけど可能としておこう。ちなみに、ジョンスタウンのランカー・マイ寺院は「ジョンスタウン図書館」と呼ばれている。
三階建ての図書館は、ジョンスタウンで最も印象的な建物である。石造りで、赤いテラコッタ(素焼き)の瓦屋根を持つこの建物は、火災を防ぐために魔術の印とルーンで保護されている。青銅で縁取られた樫材の扉が、図書館の各腕部を隔てている。各階に並ぶ狭い窓は、人が通るには小さすぎるが、光を取り入れるには十分な高さであり、冷気や風の吹き込みを防げるほどに奥まった場所にある。入口の前には、動物の生け贄を捧げるための祭壇がある。その近くには、羊皮紙を作るために処理した皮を張るための衝立がある。
他のランカー・マイの寺院と同様、ジョンスタウン図書館は「Y」字型(真実のルーンの形)に建てられている。Y 字の各腕部には特別な機能があり、中央の接合部にはさらに別の機能がある。
危険な召喚儀式などは行わないこと、真実ルーンに関係した情報系呪文のため、ということで申請書が求められる。〈ゼイヤラン語読み書き〉が低いとNGということで。
エルマランティ:(日付や場所など各種修正を確認し発動成功率を計算して)コロコロッ、《地図占い》は発動したよ。ホフスタリングの両手はいずこ?
ダシリカ:ダウジングみたいな地図上で振り子が揺れてる、みたいな魔法なの?
GM:そうだよ。サーター地方の主要都市を記した広域地図の中で、振り子は都市ボールドホームを指し示す。
ケンストレル:滅茶苦茶便利な魔法だな、ふしぎな魔法~♪
ダシリカ:ふしぎ、ふしぎ~
エルマランティ:ボールドホームのどこにあるか、までは分からない?
GM:ボールドホームの市内地図や、建物の詳細な地図があれば、さらに細かく特定することも可能だよ。君たちの手元には無いけどね。
ケンストレル:当てもなくいろんな場所をうろつくよりはマシだよ
エルマランティ:図書館で「スターブロウの反乱でファザール将軍が得たトロフィとしてのホフスタリングの両手」について記録を調べてみよう。
GM:ジョンスタウン図書館は管理人が代替わりするたびに書籍の分類方法が変わったりするため、実は情報の検索性は悪かったりする。〈図書館〉技能に成功すれば、目当ての文献が見つかるかもね。
エルマランティ:〈図書館〉技能は低いんだよな。《論理学徒 / Logician》を使うとしよう。
GM:12時間以上持続させないとボーナス無効だよん
数日間持続するように十分に呪文操作を行い…
エルマランティ:コロコロッ、出目01!
ケンストレル:呪文で強化しなくても大丈夫だったね、まぁ結果論だが
GM:では、クリティカルなので重要な情報を文献から探すことが出来た、ということにしよう
・ホフスタリングの両手は、トロフィとしてガラス容器に封入して保管された
・トロフィはファザールから、傀儡王テマーティンに贈られた
という情報だ。
ダシリカ:テマーティンが現在の所有者?
ケンストレル:ファザールとテマーティン、どっちの手元にある方が警備が厳重なのかわからん
エルマランティ:どっちも厳重そうだね
予定していた事前調査で収穫を得た一行は、氏族の後援者と相談するため、オールドマン村に戻ることにした。
03. 古老の伝手
オールドマン村に帰還した後、それぞれが職業に応じた日常生活をしつつ、今後の活動について相談を続ける。
氏族の雷鳴轟かすオーランスの司祭サヴァンも交えて、「ホフスタリングの両手」をどのように持ち帰るか議論となる。
ボールドホームのサーター王宮にある、という仮説の元、サーター王宮の地図入手方法を検討。
同じコリマー部族、アーナールドリ氏族のデュノール翁に相談してみよう、ということに。
かつてサーター王家に家臣として仕えていた時期があり、王宮にも出入りしていたので、もしかしたら地図を持っているかも、と淡い期待である。
デュノールは、ボールドホーム陥落を生き延びたサーター王家の家臣の一人であり、部族や種族やカルトの垣根を越えて、非常に幅広い人脈を持っている。そのため、コリマーの現王カングハールにとっても無視できない部族の重鎮として影響力を持っている。
サーター王家、テラサリン皇子とサリナーグ皇子の顧問を務め、サーター王家の忠実な支持者として知られている。
物静かで忍耐強い男で、ほとんどの敵よりも長生きしてきた。彼は氏族や部族の対立をほとんど気にせず、ささいな争いを超えて自分自身を置いています。
オールマース氏族の酋長と司祭サヴァンの妹が、ディノール翁の甥でもあるアーナールドリ氏族の酋長に嫁いでいる、という人脈を頼ってみようとなる。
(コリマー王カングハールの密偵を警戒して)建前としては「デュノール翁に精のつく旬の食材を献じる」ということで、山菜や珍しい獣肉を贈るためにサヴァンが訪問し、そのお付としての訪問とすることにしたのである。
GM:司祭サヴァンはアーナールドリ氏族の酋長たちと談話をしている。あらかじめ密かに事情を告げられていたのであろう、デュノール翁は他の者たちに話を聞かれぬよう、別室に君たちを招くよ。
ダシリカ:精の付く食材を集めてきたのは本当なので、それを渡しながら挨拶しよう。
GM:デュノールは、君たちにサーター王家がいかに重要な役割を果たしてきたのか、サーター王家に仕えた勇者たちがいかに勇敢に戦ったか、オーランスを筆頭に神々の恩寵が王国に満ちていたか、サーター王国の歴史を雄弁に語り始める。それに対する君たちの反応を見ているようだ。サーター王国のために、働いてくれる人物たちなのか、君たちを試しているようだ。
ダシリカ:なるほど、雄弁を聞き入っていよう。
GM:では、〈忠誠/サーター〉、〈名誉〉、〈帰依〉のパッション判定を行ってください。
ケンストレルとダシリカ:〈忠誠/サーター〉と〈名誉〉は成功した
エルマランティ:〈名誉〉は通常成功、〈忠誠/サーター〉と〈帰依/聖イサリーズ〉は効果的成功だ!
GM:なるほど、君たちがサーターのために尽くしてくれる人物たち、と信用してくれたようだよ。
「ケンストレル、お主がホフスタリングの両手を取り戻そうとしている、という噂は聞いておる。そして、そのために助力を求めているということもな・・・」
ケンストレル:ならば話が早い、不可能に挑むため力を貸して欲しい。
GM:「あえて詳細は聞かぬ。知らぬことであれば、魔術で探られても知られることはないからの。サーターのために力を尽くす、と誓ってくれるならば助けとなるものを紹介しよう」
一同:誓いまーす
デュノール翁は以下の情報を教えてくれる
・「ホフスタリングの両手」は、テマーティン皇子が所有している
・スターブロウの反乱を収めた「月の平和の条約」の締結を記念して、テマーティン皇子は毎年晩餐会を催している
・その晩餐会で、「ホフスタリングの両手」がお披露目される
・晩餐会はボールドホームの各ギルドからの代表や、テマーティン皇子を支持する一部の学者たちが招かれている
・テマーティン皇子への期待が低下するのに同調するように、晩餐会への出席者は年々減っている
また、助力として以下を申し出る
・ジョンスタウンに住む、紫のミナリスへ宛てた紹介状を発行。紫のミナリスもサーター王家に仕えた顧問の一人であり、ランカー・マイ信徒の例にもれず様々な記録を残している。
・首都ボールドホームのコリマー部族館の管理人ファルナンへの協力依頼の根回し
ダシリカ:なんだ、またジョンスタウンか(笑)
ケンストレル:紫のミナリスから情報収集したら、その足でボールドホームにいこう。
エルマランティ:ボールドホームでもう一度《地図占い》を試みたいしね。
ダシリカ:晩餐会でお披露目するというのなら、そこを狙うのも選択肢の一つだな
ケンストレル:よし、ジョンスタウンにいくぞ
04. トラブルは突然に
オールドマン村に戻り、氏族長と司祭に概要報告だけ実施。
ボールドホームの部族館の管理人ファルナンへの贈物など、いくつか手土産を氏族リソースから調達。
北のジョンスタウン街道を用いて、一行はジョンスタウンを目指します。
エルマランティ:では、一日目は《見張り》で警戒します。
GM:街道沿いで罠や待ち伏せは事前に気付けるイサリーズ神のルーン呪文だね。
エルマランティ:100メートル以内の敵や罠が分かるので、街道で不意打ちは受けないはず。
ランダム遭遇表でいくつか地元民との出会いなどがありましたが、安心して対処できる余裕の冒険者たち。
ただし、敵は分かるのですが…
エルマランティ:コロコロッ、遭遇表でなんか出たっぽい。
GM:その出目だと…君たちの頭上、空を飛ぶ雄牛がいるぞ。
ケンストレル:翼の生えた雄牛、スカイブルだったかな?
エルマランティ:《見張り》の効果に反応しないから、敵ではないよね?
GM:遭遇した時点ではね(ニヤニヤ笑っている)
ダシリカ:ぎくり、その笑い方、もしや…
GM:ダシリカが帯びている鉄剣の留め具が外れる。地面に落ちた拍子に剣刃が鞘から跳び出て、太陽の光を反射する。
その光がスカイブルの目を射たようだ、怒り狂って急降下してくるぞ。
ダシリカ:うー、無理やりなトラブル(笑)
GM:ははは、呪いの剣だからイベントは忘れずに起こさないとね。エルマランティ、敵が100メートル以内に発生したよ。
エルマランティ:ぐぬぬ、魔法が役に立っていない(涙)
前回の冒険で巨人を倒した一行、戦利品として一振りの鉄剣を入手していました。
その剣は「トラブル・ブリンガー」と銘打たれており、持ち主に様々な凶事や揉め事をもたらす呪いがかかっている様子。
ダシリカは剣を手放すため色々試みましたが、不思議な力で戻っくくる始末。
怒り狂ったスカイブルを射撃や魔法で迎え撃ちますが、魔法は発動や抵抗判定で出目が振るわず、矢は急所を射貫くことができず、急降下突進を許してしまいます。
GM:ではスカイブルの急降下しての踏みつけだ。当たると2D8+4D6ダメージだから、致命的だな。場を盛り上げるため、先にダシリカの防御判定どうぞ。
ダシリカ:くっ、〈回避〉は失敗した。
ケンストレル:あれ、ヤバくないか?
エルマランティ:蘇生の代金調べておくか
GM:では、35%で命中したら泣いてくれ。(出目を隠さずダイスを振る)…おおっ、出目36で失敗した
ダシリカ:ギリギリのところで外れたってところか、ヤバかった~
接近戦になってしまえば、ケンストレルのグレートソードが猛威を振るいます。
次のラウンドには一刀両断、スカイブルを一撃で仕留め、危機を脱しました。
その日の夕餉は豪勢なビーフシチューでしたとさ。
05. ジョンスタウン図書館の地図職人たち
スカイブルとの遭遇以外は大きなトラブルも無く、一行はジョンスタウンに到着。
ジョンスタウンの地図を見ながら、これはなんだ、あれはなんだ、と雑談が盛り上がります。
GM:そろそろ本筋に戻ろうか、とっとと目的地の「ジョンスタウン図書館」へ来てくれ(笑)
エルマランティ:了解~、では行った。
GM:三階建ての石造りの建物で、高さは14メートルほどだ。入信者ではない者が入れるのは一階までで、受付で要件を聞かれる。
ケンストレル:紫のミナリス殿に会いたいと受付に伝えてみるよ。
GM:受付の入信者は、「ミナリス様は不在です」とあっさり回答。
ダシリカ:確認もせずに不在とは、居留守じゃないか?
エルマランティ:デュノール翁から預かった紹介状をちゃんと渡そう。
GM:紹介状を怪訝に確認し、受付は確認のため二階へと姿を消す。そして驚きの表情を浮かべて戻ってくる、「一階奥の面会室でお待ちください」
ケンストレル:やはり居留守だったのか
ダシリカ:ちなみに、紫のミナリスってどんな人だっけ?
GM:あー、ではこのメモを読んでおくれ
エルマランティ:サーター解放のために活動している賢者なんですね。
GM:ターカロール、テラサリン、サリナーグ、過去三代のサーター王に仕えた宮廷魔術師みたいな人だね。
個室になっている面会室の一つで待たされることになるが、全身紫でコーディネートされた老賢者が姿を現す。
「デュノールの紹介状に記されていた者たちか…」
君たちを値踏みするように観察しつつ、君たちと会話を始める。色々難しい用語などを交えた質問がされ、君たちの地頭が良いか試されているような気がする。
【知力/INT】の能力値ロールを行ってちょうだい。最低ラインは5倍以下の成功が求められる、より少ない倍率だったら、態度が変わるよ(笑)
ケンストレル:頭の回転が悪い奴とは会話もしたくない、って偏屈な性格が読み取れるなぁ(苦笑)
無事全員が判定に成功。エルマランティは1倍以下の成功となり、ミナリスとの会話が弾みます。
一行はサーター解放の為に、と前置きをしつつ、ボールドホームの王宮の地図を持っているならば大義のため譲って欲しいと頼み込みます。
ミナリスはあっさりと王宮の地図を持っていると認めますが、複写は許可するが、原本は譲れないと断ります。
ダシリカ:複写しても良いなら、目的は達成できるからいいか。街の地図職人に預けて複製してもらおうよ。
GM/ミナリス:「あー、原本はこの図書館から持ち出すことは禁止じゃ。自分たちで書き写すが良い、この部屋はその作業用に使えるよう便宜をはかろう」
ケンストレル:えっ、自分たちで書き写すの?
GM:うん、〈製作/地図〉技能で判定してもらおう。全員が試みても良いよ。
一同:そんな技能は初期値のままだよ~
なんとか成功率を上げるため、パッションやルーン、他の技能による増強(オーギュメント)で使えるものが無いか相談タイムが始まります。
〈忠誠(サーター)〉のパッションや、真実のルーンなど、各自がいろんなリソースから増強を試み…
ダシリカ:駄目だ、失敗です
ケンストレル:おっ、ギリギリ成功だ
エルマランティ:よっしゃ、効果的成功!
GM:では君たちは「たぶん正確な地図」と「すごく正確な地図」を入手したことになる。地図の複製が終わったことを確認すると、ミナリスは原本の羊皮紙の巻物を丁寧にしまう。
「その地図で何を行おうとしているか、あえて詳しくは聞かぬ。だが、サーターのために行動しているお主たちの幸運を祈ろう」
エルマランティ:丁重に返礼を行います。
ダシリカ:あえて聞かない、というのは心を読む魔法が存在する世界だと選択肢の一つになるのかもな。知らないことは読まれることもない、と。
ケンストレル:よし、次はボールドホームに向かうとしよう。
06. ボールドホーム
一行は「王の街道」を南下し、ボールドホームへ移動。
大街道だけあり、多くの人々が行き交い、危険なランダム遭遇は無し。
道行く商人たちと情報交換を行いますが…
GM:何人かの商人や旅人から、「グレイドック氏族の連中を、街道や街で見かけることが増えた」という証言が多く聞かれます。
ケンストレル:なるほど、ブランダンのヤツが氏族の支援受けて「ホフスタリングの手」の在りかを探しているのか。
ダシリカ:うちのパーティみたいに魔道呪文使える奴は多くないから、こっちが情報収集面では先を行っていると思いたいな。
エルマランティ:当てもなく穴を掘るような徒労を演じてくれるかな
ちなみにサーター王国で魔道呪文の使い手といえば、ランカー・マイ信徒たちでしょう。
自力で使えなくても、報酬を支払うことで魔法を使ってもらうことは可能だったりしますが、GMはここではそのことは触れずに進めます。
GM:ジョンスタウンから南に進むと、クイヴィン山脈に高い山々がそびえ立ちます。最も高いクイヴィン峰は一年を通じて雪冠をいだくほどの高山で、そのような山々に囲まれた天然の城砦都市がボールドホームです。
サーターの首都である都市で、嵐の神々の神聖な山々に囲まれた裂けた谷の平原の上に建てられています。人口は約10,000人で、サーター最大の都市であり、王国の政治的および宗教的中心地であり、貿易と学習の中心地でもあります。
都市の北門を警備する衛兵たちに誰何されますが、形通りの検査を受けることで普通に通ることができます。
ケンストレル:プレイヤーにとっては馴染はないけど、ケンストレルが属するコリマー部族にとって近場だし、何度も来ている場所ということでいいんだよね?
GM:そうだね、何度かやって来たことはあるよ。
ボルドホームは多様性に富んだ国際都市で、サーター王国以外から訪れる者も多い。とても多様性に富んでいるよ。
冒険者カルトの若い戦士、遠方から集まった交易商人のキャラバン、ベテランのフマクト剣士、蛇を連れた大地の女性、刺青を全身に施した雷鳴神の崇拝者、長槍を担いだ陽の天蓋寺院の男たち、物騒な斧の乙女、踊る巫女、七母神の神秘主義者、麻薬ハジアの中毒患者、詩人、ユールマルの道化師、白き貴婦人の癒し手、髭を生やした書記、 陶工や赤鍛冶など職人たち、騎乗用バイソンを連れた遊牧民、金目馬に乗った純粋な馬の民、人間以外に時折エルフやトロウル、さらにはドラゴニュートまで、本当に多様な者たちを見かける都市だよ。
エルマランティ:一気に言われたからよくわからんが、多様な人々がいる、ということは分かったよ(笑)
GM:市場など人通りが多い場所では音楽、歌、叫び声、異言の不協和音が鳴り響き、交易語はサーター語と同じくらい一般的で、エスロリア語、プラックス語、新ペローリア語はほぼ常に聞こえます。聖王国やその向こうの香辛料、プラクシアの獣の匂い、香とハジア、ワイン、焼き肉、様々な匂いが風に乗ってきたりもする。
ダシリカ:デュノール翁が根回ししてくれているハズだから、コリマー部族の屋敷に向かおう。感覚的には大使館みたいなもの?
GM:そうだね、コリマー部族の出張所であり、部族の者たちが休める宿屋であり、逃げ込める避難所でもある。かなり大きな屋敷だよ。
屋敷の主はファルナンという人物だ。君たちがやってくることを知っていた様子で、好意的に迎え入れられる。もちろん、長期滞在する君たちのために、オールマース氏族が手土産に用意した贈物の効果もあったと思いなね。
"禿頭の "ファルナン・エルナルドールはアーナールドリ氏族出身の社交的な部族セインである。
彼の血族は "何世代にもわたって "黒槍荘園を管理しており、荘園に強い所有権を持ち、数人の使用人(醸造人、料理人、労働者、雑用係、給仕係)に助けられ、一握りの傭兵ボディーガードに守られている。
ファルナンはボールドホームの有力者であり、驚くべき情報通である。
エルマランティ:部屋を借りられたのなら、早速だが《地図占い》を行うよ。精巧なサーター王宮の地図もあるので、王宮のどこにあるのか調べたい。発動は…成功だよ。
GM:OK、ダウジングの振り子が地図の一角を示す、宝物子のあたりだ。「ホフスタリングの手」がサーター王宮にあるのは間違いないね。
ケンストレル:場所は特定できたのは良かった。でも、手出しが難しい場所、ということは困った。王宮の宝物庫から盗み出す、成功率は低いだろうな…
GM:「気が付かれずに王宮に接近」して、「警備に見つからず王宮内の宝物庫」まで移動して、「宝物庫の防衛機能」を克服して、「王宮から脱出」し、さらに「ボールドホームの外」に出るのは大変だろうね。五連続でクリティカル出せはOKだよ(笑)
ケンストレル:そんなの出るわけがないから、シナリオで用意されている攻略方法を使えるよう、情報収集をしてまわるか。
エルマランティ:デュノール翁が言っていたことも攻略のヒントだろうな。テマーティン皇子が開催する晩餐会に紛れるとか?
・「ホフスタリングの両手」は、テマーティン皇子が所有している
・スターブロウの反乱を収めた「月の平和の条約」の締結を記念して、テマーティン皇子は毎年晩餐会を催している
・その晩餐会で、「ホフスタリングの両手」がお披露目される
・晩餐会はボールドホームの各ギルドからの代表や、テマーティン皇子を支持する一部の学者たちが招かれている
・テマーティン皇子への期待が低下するのに同調するように、晩餐会への出席者は年々減っている
ダシリカ:ボールドホームの生き字引、ハゲのファルナンに聞いてみるか。晩餐会に出るためにはどうすればいいか。
ファルナンと密室での会談を行う一行。
デュノール翁からの根回しがあったせいか、詳細を問いただすことなく、一行の質問に対して的確なアドバイスを返してくる。
・テマーティン皇子の晩餐会がいつ開かれるのか?
→火の季節/幻想の週/火の日、2週間の猶予あり
・ボールドホームで招待され参加しているものたちの具体的な名前は?
→石工協会など主要なギルドの指導者たちのバイネーム、ランカー・マイ寺院の賢者や学生たち
・晩餐会に招待を受けることは可能なのか?
→ファルナン自身は参加したことはない。ただ、ファルナンの培ったコネクションであれば可能かもしれない、贈物を献じて反応を待つことになる
・テマーティン皇子のボールドホームでの評判は?
→最初は期待する声もあったが、現在は失望、そして無関心に変わりつつある
ケンストレル:うーむ、一応氏族から手土産になる贈物を調達してもらっているし、ファルナンに頼んでもらうか。
ダシリカ:ダメもとで過去の晩餐会に参加した人に会ってみたいから、ギルドにもいってみよう。
エルマランティ:晩餐会を利用する以外の方法も考えておきたいな。
GM:それならばファルナンは「・・・オールド・アンドリンならば、何か知っているかもしれませんな。ストーリー・テラーとして時折姿を現すご老人ですが、私よりも、いや、誰よりもボールドホームの人々や出来事を知っていると噂される人物です」
ケンストレル:よし、今夜はゆっくり休んで、明日から本格的に情報収集だな。