ウィザー日記 改め ホビー日記

徒然と趣味のことを綴る雑書

グローランサ用ハンドアウト(オールマース氏族 in 1617)

あなたはどなたですか?

 私はオールマース氏族の長、ゴーダンガー・ケンストレルソン。

 お前の叔父だ。

 

私たちは何者なのでしょう?

 我らはオールマースの氏族だ。そして誇り高きコリマー部族でもある。
 コリマー王とヘルヴァの子の末、黒き槍をともに掲げる者、そしてキツツキの一族だ。


私たちは偉大な人間なのですか?

 我らは偉大な一族だ。我らの守護神オーランスは世界を破滅から救った偉大な神だ。
 我が古代王国の始祖であるサーター大王は、武器を使わずに危険に立ち向かい、世界を破滅から救った。
 我が父ケンストレルはコリマー部族の王として、灰色熊の峰の戦いで雄々しく戦った。

 

男女の違いは何ですか?

 明らかな性的な違いはもちろんあるが、女はより冷たく、計算高く、あまり感情的でなく、穏やかで落ち着きがある。
 男はより情熱的だ。我らは熱狂の中で、斬り、叫び、駆けまわることを好む。そして戦いの後、新しい花の匂いや、乾いた砂漠の匂いにさえも、生きているという実感を覚えるのだ。
 男衆は氏族の会合では、友邦と共に笑ったり、歌ったり、叫んだりして過ごす。会合では武器を鳴らして決めごとをしたり、自分たちの手柄を互いに自慢しあうのだ。
 女は思慮深く、死すべき運命に注意している。女たちの多くは子供を望み、熊のように激しく子供を守る。衝動的にならずに、ことを成す前に考える。
 しかし、こうした役割を取り替えた男女たちがいることも言っておこう。タラールの子らの氏族のレイカ嬢は勇ましい戦士だし、女神の加護を受けて子を身ごもった男たちがいることをワシは知っておる。

 

私たちはどこに住んでいるのですか?

 このステッドがわれらの家だ。これは我が氏族の持ち物だ。我らの羊が草を食べる丘から、赤い鹿を狩る森、そして釣りをする川までの地を、オーランスは我らに与えたのだ。
 このステッドのあるオールド・マン・ヴィレッジは氏族の中心地だ。

 

私たちは何をして暮らしているのですか?

 畑を耕し、種をまき、刈り取るのだ。
 獣を狩り、魚を釣り、丘で羊の世話をし、牛の乳を搾るのだ。
 女たちは織物をするし、男たちは迷っている家畜を拾ってくる。
 我らは大麦や小麦、ライ麦を食べる。アーナールダの実りをパンや粥にして食べ、エールにして飲むのだ。
 畑を持たぬ枝拾いの身分の者たちは、根野菜を主に食べている。
 我らは豊かなので、豚、鳥、羊を食べる。祭りでは牛や馬もごちそうとして頂く。狩りがうまくいったときは、赤鹿も食べる。
 氏族の財産として土地、木、動物、建物を大切にする。
 個人の財産は、自分の力で手に入れたものだ。ワシは戦で立派な黒馬と、黒鉄の剣を手に入れた。

 

私の人生で大切なものは何ですか?

 お前は氏族の一員だ。成人の儀式を迎えれば、大人になる。大人になれば目上の者たちに黙って従う必要はない、お前は話し合いに加われるし、お前の意見はそれなりに尊重されるのだ。
 だが、身内に恥をかかせてはいけない。お前は大人になれば責任も持つ。お前の恥は、我らの恥だ。侮られるな。お前が侮られるということは、我らが侮られるということだ。
 お前は嫁を探さなければならぬ。金持ちで親切な女を選んでほしい。お前のもとを離れても、お前が戦いで死んだとしても、娘たちを育てられる持参金をたくさん持っている女を探すことだ。
 お前が死んだら、我らはルーンの掘られた丸太といっしょにお前の亡骸を燃やすだろう。お前の子供たちはお前の名を叫び、司祭はお前の魂をオーランスのもとへ送るため風を呼び起こす。
 お前が私の者を受け継ぐように、お前は息子にお前の権利と持ち物を受け継がせるのだ。
 命を惜しむな、名を惜しめ。

 

私たちの支配者は?

 氏族のことは氏族で決める、皆が意見を交わし、話し合いで決める自由がある。
 我らはコリマー部族の一員でもある。コリマー部族が我らを助けるならば、黒き槍の一族として、我らも部族の仲間を助ける。コリマー部族のカングハール王の言うことにも従わねばならぬこともあるが、我らは従わぬ自由もある。
 サーター王国を統べるサリナーグは、我らを統べるものであった。スターブロウはその後を継げる方であったかもしれぬ、少なくとも、学者崩れのテマーティンよりははるかに見込みがあった。

 

何が人を偉大にするのですか?

 オーランスの美徳に従えば、だれでも偉大なることができる。勇気、知恵、寛大さ、正義、名誉、信心である。
 もうひとつお前が知っておかねばならぬことがある。間違いを犯したときは、かならずそれを正さねばならぬ。我らは自分のこと、世界のことに気を配り、犯した過ちには責任をとるのだ。
 我らは壊すこともできるし、また直すこともできるのだ。力は責任と対になるものだ。

 

悪とは何ですか?

 混沌が悪だ。混沌は神を滅ぼす。
 混沌が悪だ。混沌は奪うだけで、与えることができない。
 混沌が悪だ。混沌は自然ではない。
 オーランスの風、ヘラーの雨、アーナールダの大地の恵み、それを妨げ世界を滅ぼす混沌は悪だ。

 

私の運命は何ですか?

 我らの父たちが成したこと、我らも引き継ぐのだ。
 お前はまじめに働き、よい結婚をし、たくさんの勇気ある息子や娘を育てるのだ。お前は聖なる集会に参加し、オーランスとアーナールダに祈りを捧げるのだ。
 自分の槍はいつも研いでおけ、なんなら二本ぐらい作っておくといい。
 お前は見込みがあるので、氏族の輪に加わり、皆を率いることになるかもしれぬ。ワシの後を継ぎ、氏族の長になるかもしれぬ。

 

他の者をどう扱えばよいのでしょうか?

 氏族の者はみな家族だ。家族は助け合う仲間だ。家族と争うときは剣を抜かず、拳で諫めるだけにしておけ。
 友人は宝物より大切だ。家族でないのに命を助けてくれる者は、命をかけて助けねばならぬ。
 見知らぬよそ者に出会ったならば、あの挨拶を使うのだ。オーランスに従うものならば、だれでも挨拶の仕方を知っている。
 よそ者には気をつけるのだ。多くのよそ者は無害だし、多くは楽しい人々だ。だが、彼らは我らとは違うし、我らのやり方を知らぬということを覚えておくのだ。
 彼らに侮辱されたり、彼らが馬鹿なふるまいをしても、すぐに腹を立ててはならない。彼らは我らの神から知恵ある生き方を授かっていないのだから。
 しかし、彼らか敵ならば、剣を抜いて戦え。殺すために力を尽くすのだ。

 

私たちの敵は何者ですか?

 我らには二つの大敵がいる。
 ルナー帝国は灰色熊の峰で我が父ケンストレルを殺した。ルーンゲートの戦いでジャースタコス王は奴らの赤い蝙蝠に食われた。ルナー帝国は混沌と共に歩むもの、油断ならない敵だ。
 リスメルダーのグレイドッグ氏族は我らの敵だ。奴らは我らの放牧地を勝手に使い、牛を盗む。私の叔父と従妹から、三人がグレイドッグ氏族との戦争で命を落とした。
 敵ではないが注意せねばならぬ者もいる。コリマー王の“ブラックマー”カングハールは変わってしまった。面と向かって敵対する必要はないが、いずれは袂を分かたねばならぬかもしれぬ、用心して付き合うのだ。

 

私たちの神々は?

 オーランスとアーナールダが我らの神だ。
 赤いキツツキも我ら氏族を守ってくれる。

 

****************************************************************

ハンドアウトについて

 ルーンクエスト3版同梱のものを改編したものとなります。

 ルナー帝国によるサーター占領下のコリマー部族のキャラクターへ、グローランサ世界の住人視点での情報提供を目的としたハンドアウトです。

 RQGでの「現在」は1625年または1626年となりますが、作成したキャラクターがまだ若く、成人となる頃にはこのような教えを受けていたと思われます。