ウィザー日記 改め ホビー日記

徒然と趣味のことを綴る雑書

ルーンクエストを最初に遊ぶときに何を説明する?

冒険者が置かれた立場を説明してみよう、サーター王国編。

冒険者にとっての「現在」とは?

ルーンクエスト3版(ホビージャパン翻訳版)ではST歴1621年が「現在」とされていましたが、ルーンクエスト4版(RQG)ではST歴1625年までの歴史が語られ1626年が「現在」となります。
また、RQGでは冒険者たちは「21歳」がデフォルト年齢として送り出されます。
つまり、直近20年の出来事が本人にとって当事者となるものであり、父母や祖父母を含めたとしても直近60年以内の出来事を知っておけば大体問題は無いと言えるでしょう。

 

サーター王国の直近の出来事

サーター王国側の視点で出来事をピックアップしてみましょぅ。

1561年:(RQG版デフォルトでの祖父母の生誕年)
1582年:(RQG版デフォルトでの父母の生誕年)
1582年:「灰色熊の峰の戦い」、ルナー帝国による侵攻を撃退。多くの犠牲者を出す。
1602年:ルナー帝国の再侵攻により首都ボールドホーム陥落、サーター王国の直系皇族は断絶。やはり多くの死者を出す。
1604年:(RQG版冒険者のデフォルトの生誕年)
1613年:サーター解放のためカリル・スターブロウが決起するが、反乱は失敗して国外追放。
1621年:カリル・スターブロウが身を寄せていたホワイトウォール陥落
1624年:エスロリア女王国の「ペンネル浅瀬の戦い」でルナー帝国軍が破られ、反ルナー帝国の抵抗勢力が反攻に出る
1625年:「真竜の目覚め(ドラゴンライズ)」事件でドラゴンパス駐留のルナー帝国の主力部隊が壊滅的被害、カリル・スターブロウによってボールドホームが解放される
1626年:ルナー帝国の残留部隊とサーター解放軍の武力衝突、カリル・スターブロウは戦死、ルナー帝国は撤退

簡単に言ってしまうと「ルナー帝国に侵略されて王家が滅んだ後、いろんな戦いを経てルナー帝国が撤退した」というのがサーター王国の近況です。


冒険者とその家族から見たサーター王国

冒険者たちの世代:サーター王国がある意味で崩壊した後に育った世代であり、サーター王国という国家に対する帰属意識が軽薄な世代です。〈忠誠/部族〉や〈忠誠/氏族〉といったより身近な共同体への帰属意識が高い世代ですが、父母や祖父母の教育の影響で〈忠誠/サーター王国〉を抱くものもいます。
伝統的なオーランス信仰が抑圧された時代に育ったため、ルナー宣教師の教えを受けて「七母神」のカルトに入信した者も都市部では多くいます。ルナー帝国とある意味で折り合いをつけながら、生きてきたものも多くいます。
そもそも、サーター王国内で育ったとは限らず、国外で育った者たちが父母の生誕地に帰郷した、というケースも多いでしょう。親族と共に国外に逃れて反ルナーの解放軍に加わった者もいれば、難民の子として育った者、様々です。このような設定であれば、サーター王国について詳しく知らない、というロールプレイも自然となるでしょう。
冒険者たちの父母世代:サーター王国は衰退し瓦解するまでの末期しか知りません。価値観が大きく変化した者も多かったでしょう。ボールドホーム陥落後、サーター王家の傍系の血筋から担ぎ上げられた傀儡王の治世で苦しんだ世代でもあります。
冒険者たちの祖父母世代:サーターの諸部族が連帯していた王国の黄金時代を経験している世代です。「灰色熊の峰の戦い」を生き延びたものの多くは〈忠誠/サーター王国〉の思いを抱いてルナー帝国に抵抗し、ルナー帝国によって同胞が殺され〈憎悪/ルナー帝国〉を抱くものも多い世代です。

 

で、知っておくといい事は何なのか?

実際にプレイヤーが知っておくと良いことは以下のこととなるでしょう。

ルナー帝国と七母神サーター王国の北に位置する巨大国家であり、サーター王国の領土を直近まで支配していた帝国です。七母神と呼ばれる宣教カルトを通じて属領地の民をゆっくりと確実にルナー文化に馴染ませてきました。
オーランス信仰:サーター王国を含むヒョルトの民の男性文化=オーランス信仰であり、非常に多くの信徒がいます。ルナー帝国は寛容に多くのカルト信仰を許容していますが、反乱活動の中心組織となるオーランス寺院に対しては監視の目を光らせてきました。
解放者カリル・スターブロウ:サーター王国の統治者である「皇子」は直系血族は絶えたものの、傍系の中で頭角を現したのが女傑カリル・スターブロウという英雄です。
ルナー帝国の支配に対して反乱を起こし、国外へ追放されましたが、国外でも抵抗活動を続け、ついには首都ボールドホームを奪還しました。シナリオの開始時期によっては既に死んでいる可能性が高く、サーター解放軍は中心人物を失ってしまい、不安定な状況にあります。
部族(トライブ):同じ文化や言語を共有する氏族からなる連合体。巨大化した氏族が分家して中核を成すことが多いが、武力衝突に備えた軍事同盟、経済圏を成すための経済同盟として成り立つこともある。
氏族(クラン):共通の祖先や起源を持つ血族集団としての共同体。実際には義兄弟や養子縁組を含めた系譜関係。父系氏族であれば他氏族から嫁取りを行い、母系氏族であれば他氏族から婿取りを行う。