ウィザー日記 改め ホビー日記

徒然と趣味のことを綴る雑書

シャーマン

グローランサにおけるシャーマン



シャーマン(祈祷師)とは何か?

・精霊魔法の専門家であり、教え手
・神話の英雄、部族の先祖、神の存在、大いなる精霊などと関係がある
・シャーマンは精霊世界での分身として『フェッチ(魔精)』を目覚めさせた者である
・シャーマンは、常人は持ちえない並外れた能力(各種のシャーマン能力)を得る
・シャーマンは霊的な仕事に完全に従事し、共同体はシャーマンに衣食住を提供する
・シャーマンは共同体のメンバーに対する精神的な保護と知識伝授の義務を負う
・シャーマンは精霊界に行き、誕生、結婚、死の儀式を行うことで、部族や氏族の全体的な精神的健康を促進する
・シャーマンは通常、カルトに適用される精霊魔法とルーン魔法の両方を知っている
・シャーマンは物質界と精霊界の両方に同時に存在するため、非常に強力な冒険者アーキタイプとなる
・いくつかのシャーマン的な伝統では、シャーマンは人間と精霊の間に違いを認めていない。多くの精霊は、かつては人間であり、死んだ人間は精霊となり、そして再び生まれる

 

シャーマンへの道

多くのシャーマンは生徒、助手を経て一人前のシャーマンとなる

生徒(Student):通常はシャーマンが仕えている共同体のメンバーであれば、生徒として受け入れられる。生徒はシャーマンから精霊魔法を教わることができる。

祈祷師助手(Assistant Shaman):通過儀礼を経て認められる特別な存在。志願してなる者もいれば、精霊に導かれてなる者もいる。
祈祷師助手はあらゆる面において、シャーマンと共に生活し、シャーマンのために働き、シャーマンを助ける。その返礼として、シャーマンになるための奥義を教わる。
具体的にはシャーマンとして必要な各種技能の訓練を受けることができる。

祈祷師(Shaman):フェッチ(魔精)を目覚めさせることが出来た者が祈祷師、すなわちシャーマンである。
グローランサにおいてシャーマンとなる方法は様々である。社会やカルトによって細部は異なるが、大枠では以下の霊的体験を通じてシャーマンとなる。

・霊的な旅路への出立。志願者は臨死体験を経た後、「角ある男」に導かれる。
・霊的な喪失。志願者は「大いなる存在」のために【POW】を捧げ、“角ある男”から祈祷師を象徴する「何か」を授かる。
・死や恐怖と向き合う。志願者は様々な試練を受け、内面的な強さが試される。
・フェッチの覚醒。試練を耐えた志願者は、無自覚なもうひとつの自分を認識し、フェッチとして目覚めさせる。フェッチは自分と同じ姿をしていることもあれば、動物の姿のこともある。
・悪なる者との対峙。フェッチを覚醒させたシャーマンは、「悪なる者」と対峙する。これは決して勝利することができない戦いだが、生き抜くことでシャーマンは霊的な強さを得る。
・肉体への帰還。試練が終わるとシャーマンとフェッチは1つの存在として結びつけられる。「角ある男」は新しいシャーマンを物質世界に戻し、シャーマンの精神は再び肉体へと戻る。

 

角ある男と悪なる者とは

オーランス人、プラックス人、スンチェン人、そしてトロウルたちに知られているシャーマンと関わりある存在である。

角ある男(Horned Man)

・“角ある男”は大いなるシャーマンであり、シャーマンの父である
・大暗黒の間、彼はその機知と技巧と死力を駆使して偉大なるルーンを歌い、混沌を騙して自分を霊的存在へ解放させた
・彼は時々幼い子供の寝込みを訪れる。その子が泣き叫ばなければ、シャーマンの道を歩む運命にある
・最強のシャーマンは彼の力を借りて魔法の魂の風を生み出し、大軍を壊滅させることができるという
・“角ある男”は、しばしばルーン文字で描かれた獣皮を身につけ、常に首飾り、腕輪、ベルトに呪文を込めたものを身につけ、鹿のような角を持つ人として描かれる。

悪なる者(Bad Man)

・最初の敵
・“悪なる者”は強力な悪霊であり、同時に多くの場所に現れることができる
・彼の存在は人々に精霊界と物質界の接触を恐れさせ、魔法の知識の普及を阻止しようとする
・“角ある男”がシャーマニズムの秘密を世界に広めた今、“悪なる者”はシャーマンたちの特別な敵となり、霊的再生の前にシャーマンたちを永遠に滅ぼそうとしている
・“悪なる者”はさまざまな姿で現れ、たいていは見る者が最も恐れるものになる。

 

フェッチ/魔精(The Fetch)とは

フェッチとシャーマンの関係性

・フェッチはシャーマンの魂の一部です。ほとんどの人にとって、目覚めずに眠っている部分だが、シャーマンだけが呼び覚ますことができる
・逆説的になるが、フェッチを呼び覚ました者がシャーマンとなる
・フェッチが視覚化される際、シャーマンの神秘的な伝統に応じて様々な姿をとる。先祖崇拝の伝承に従うシャーマンならば自身の祖先かもしれないし、獣祖崇拝の伝承に従うシャーマンならばトーテム動物かもしれない
・フェッチとシャーマンは不可分の存在であり、全てを共有している。シャーマンはフェッチを通じることで、精霊界と物質界の両方に、同時に存在することになる
・一度目覚めたフェッチは、眠らせることはできない。シャーマンから切り離すことはできず、フェッチが破壊されれば、シャーマンも死ぬ

 

フェッチがシャーマンにもたらすもの

・フェッチはシャーマンとは別に独立した【POW】と【CHA】能力値を持つ
・シャーマンはフェッチの【POW】とマジックポイントに常にアクセスでき、シャーマンが望むときはそれらを消費することもできる。
・フェッチは【POW】の成長ロールを行えないが、シャーマンは自身の【POW】を犠牲にすることでフェッチの【POW】を成長させることができる
・シャーマンはフェチの【CHA】を、精霊魔法の呪文を保存するために使用できる。しかし、他の目的のために使うことはできない。
・フェッチは【POW】に応じて、捕獲した精霊を捕らえて支配できる
・フェッチはシャーマンが知っていることを知っている。シャーマンの【INT】を共有し、シャーマンのように行動して反応することができる
・フェッチを、魔法的な知覚能力を持たない通常の生物は見ることができない。ただし、他の精霊と同様に《視覚化》によって物質界に現れることはできる
・シャーマンが「霊体離脱」して精霊界に赴いている間、フェッチはシャーマンの肉体に宿り、シャーマンが帰還するまでのあいだ肉体を守る

シャーマンの力とは

フェッチを覚醒させたシャーマンは、通常の人間とは異なる存在となります

シャーマンに共通した特殊能力

・シャーマンは肉体から自身の精霊を解き放ち、霊体離脱することで精霊界に赴くことが出来る
・霊体離脱したシャーマンは、《可視化》の魔法を使うことで物質界に顕現することもできる
・フェッチの【CHA】により、追加で精霊魔法の呪文を保存しておける
・(シャーマンの霊体離脱やフェッチの視覚化が行われていない場合)シャーマンとフェッチが一緒にいるとき、シャーマンはフェッチの【POW】を自身の【POW】に加えて判定することができる。これによりシャーマンは魔法への抵抗力が高まるし、攻撃魔法の抵抗判定も優位に立つことが出来る
・シャーマンは《第二の目/Second Sight》を常に働かせている。これによって精霊や生物の存在を【POW】を頼りに知ることが出来る

個別のシャーマン能力

シャーマンはそれぞれ個性的な特殊能力を持つことがある。
多くのシャーマンは“大いなる存在”と接触し、能力値を捧げることで特別な力を得る。シャーマン能力はそれぞれレベルが設定され、高レベルのシャーマン能力ほど強力。

以下はシャーマン能力の一部の例示です

病気の治療(Cure Disease):患者に憑依している病の精霊を追い出したり、患者が病気から回復する力を底上げすることで、病気の治療を行う
フェッチ具現化(Materialize Fetch):シャーマンはフェッチを物質界に具現化することができる。 
内なる力(Power Within):シャーマンは精神集中を行い、自分自身の内側にある力を集め、ヒットポイントを失う代わりに、様々な力に変えることが出来る。呪文発動の成功率を高めたり、記憶していなくても低ポイントの精霊呪文を発動したり、マジックポイントを得たりする。
自己蘇生(Self-Resurrection):シャーマンが死亡した場合、彼らは自分の体を癒す魔法を唱え、死から自力で戻ってくる。
精霊を見せる(Show Spirit):霊体離脱した精霊の姿を公開し、他の人にも見えるようにする。
呪文連打(Spell Barrage):シャーマンが1ラウンドに複数の精霊呪文を投射することを可能にする
呪文持続維持(Spell Extension):シャーマンは精霊呪文を持続時間を無視して維持できる。

シャーマンのアーキタイプ

グローランサのシャーマンは何らかのカルトに属している。

先祖崇拝のシャーマン:死者の判官ダーカ・ファールのシャーマン=プリーストは、祖霊と呼ばれる死者の精霊を扱うことに長けている。
共同体にとって重要な先祖を崇拝し、しばしば共同体と関係がある地元の強力な精霊への崇拝も合祀される。

ワッハのシャーマン:プラックスの男性社会では“屠る者”ワッハが広く崇拝されている。ワッハのカルトにおいてルーンプリーストはシャーマンでもある。

大地の魔女:アーナールダを中心とした大地崇拝の中で、また一部のスンチェン族の伝承の中で、しばしば“大地の魔女”という存在が語られる。大地崇拝の中で女たちに伝わるシャーマン伝承。
(設定上は存在しているが、公式のルールサポートが待たれるところが難点…)

大いなる風コーラートのシャーマン:大いなる風コーラートを崇拝するシャーマンは、風のエレメンタルを扱うことに長けている。
(これも設定上は存在しているが、公式のルールサポートが待たれるところが難点…)

スンチェンのシャーマン:スンチェンの民は人の形をした獣であり、それぞれがトーテムとなる動物を崇拝している。スンチェンの民はその身をトーテム動物に変える魔法に通じている。スンチェンの民の霊的指導者となるシャーマンたちは、動物の精霊を扱う機会が多い。
現時点では「狼のスンチェン」としてテルモリ族が公式提供されているが、ほとんどのテルモリは混沌に汚染されているため、プレイヤーキャラクターとして選択できるかは、ゲームマスターとの相談が必要となるだろう。